景気が回復をはじめても失業率が低下を始めるまで時間がかかるので、失業率を見て景気を判断する場合は要注意です。(経済評論家 塚崎公義)

景気対策の主目的の一つが失業率の低下

景気が良いとか悪いとか話題にする人は多いですが、その主要な関心は景気そのものではなく、失業の増減にある場合が少なくありません。そもそも、景気が良いと言われてもピンとこない人は多いでしょうが、失業率が下がったと言われれば簡単にイメージできる、という人も多いでしょう。

政治家にとっては経済政策の主目的が「インフレと失業のない経済」である場合も多く、失業への関心は高いでしょう。

失業している本人にとっては問題は深刻でしょう。収入が得られないという事のみならず、「自分が世の中で必要とされていないのではないか」といった懸念さえ感じるかも知れませんから。

失業していない人にとっても、失業率は重要です。失業率が高い時は自分や知人も失業するかも知れませんし、失業者が多いということは企業が高い給料を払わなくても労働者を確保出来るという事なので、自分の給料が上がらないという事にも影響するからです。