文部科学省や農林水産省による啓蒙(けいもう)活動が児童生徒向けに行われているのも、長期的に学ぶことで次世代へ正しい生活習慣が定着することを期待しているからです。

学校教育の場では、生活習慣による正答率の違いを児童生徒向けの啓蒙に積極的に利用している節はありませんが、上記のような大きな差は衝撃的な数値であり、それを知れば子どもたちの心に残るはずです。

一見、劇薬のようにみえるかもしれませんが、全国規模の調査を活用して生活の乱れは学力に悪影響を及ぼすことを保護者や児童生徒に伝える取り組みをしていくことが、根本的に生活を見直すきっかけになるとも考えられます。

すぐに結果は出ないけれど

子どもの生活習慣は親の影響が大きく、他の家との違いや問題点に気がつかないまま成長してしまいがち。「朝食を食べよう!」といったキャンペーンや指導は、朝ご飯を毎日食べている子どもや親からすると当たり前でわざわざやる必要がないようにも感じます。

しかし、学校が積極的に児童生徒に啓蒙活動をしていくことで、リズムが乱れている子どもが問題点を意識する機会になるはずです。地道な活動ですが、長い目で見れば家庭力や学力のボトムアップにつながる重要な取り組みといえるのではないでしょうか。

参考資料

中山 まち子