それを真正面から受け止めず逃げてしまうと残念な結果になるのは当然と言えば当然で、筆者もこうした生徒たちと接して苦い思い出となった経験があります。

所属している部活が予選敗退をし、中学3年の6月で部活を引退したA君はひょうひょうとした性格で、基礎学力もしっかりある生徒でした。

通塾を始めたのは中学2年の秋で、志望校は地域二番手校。中学3年の春の段階では余裕で合格する学力とまではいかないけれど、合格しやすい位置にいて現実的な選択といえました。

ただ、部活引退後から追い上げて抜き去る子も多数いるため、夏休みを「より合格に近づけるための期間」と捉えて指導することに。

ところが、模試の結果も悪くないためかイマイチ気持ちが乗ってきません。二番手校受験となると入試問題の基本問題はほぼ全員が解け、応用問題が合否のカギとなります。

A君はというと、スラスラと解ける基本問題を繰り返し解きたがり、やや苦手な社会の復習を渋る。家にいるとテレビを見てしまうと笑顔を見せる。その様子を近くで見ていた筆者は「これではまずい」と、塾の自習室に来るように何度も話をしました。

けれどもA君は暑い中、自転車で塾に来るのが面倒だと言い、一度も自習室を利用しないまま夏休みが終わってしまうことに。案の定、夏休み明けの模試からは志望校判定が厳しく出て、残念ながら挽回することなく不合格となりました。