ところどころ知識が足りないものの、本人は意欲的で吸収力があり態度も良いという教えやすい生徒でした。夏休みの講習会も中盤から参加でしたが、毎日のように自習室を使い積極的に質問をする。授業態度も真面目で言うことなし。まさに模範生そのもの。

夏休み後半の模試では志望校の合格圏に届かないものの、このままのペースで頑張れば合格できるのでは、と先生一同が思っていました。そして秋も冬も真面目に宿題を解き、成績は上昇。しかし入試ではあと一歩届かず、不合格となってしまったのです。

その結果を聞いた時、他の先生たちが口々に言ったのは「最低でも4月、いや5月に入っていれば間に合ったんじゃないか」ということでした。

塾というのは私的な教育ですし、お金もかかります。ただ、子供の頑張りと塾での指導により飛躍的に学力が伸びる場所でもあります。

C君は本人の努力もあり合格に届きそうなところまでいきましたが、合格をつかみ取るには通塾期間が足りなかったのです。受験本番から逆算したタイミングで通塾を始め、受験に備えることの大切さを痛感した出来事でした。

夏休みを有意義に過ごして頑張ろう

夏休みから受験本番の冬までは重要で、その時期の過ごし方で「合格」を手繰り寄せられるかが決まると言っても過言ではありません。

「どうせ長いし」と思っていると、夏休みはあっという間に過ぎていきます。子どもにとって、まとまった時間を受験勉強に充てられるのも夏休みだけです。後悔先に立たず、ということにならないよう時間を大切に使いたいものですね。

中山 まち子