高齢者の就業機会を確保する目的である、改正高年齢者雇用安定法が2021年度からはじまりました。今回の改正は、70歳までの就業機会の確保について、多様な選択肢を整えるよう、事業主に努力義務を設けるものです。

定年を迎えたあとも働きやすい環境を整えること。これは「人生100年時代」において必要不可欠な取り組みともいえますよね。

今回は、老後生活目前の還暦60代にフォーカスして、60代のお金事情を見ていきます。

還暦60代の貯蓄は平均1745万円

60代の貯蓄はいくらぐらいなのでしょうか。

金融広報中央委員会公表の「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、60代の金融資産保有額の平均と中央値(金融資産を保有していない世帯を含む)は以下の通りです。

  • 平均:1745万円
  • 中央値:875万円

※平均は一部の「超お金持ち」の値(金融資産保有額)に全体の値が大きく影響されるので、他の値に影響されない中央値のほうが実体により近いでしょう。

60代の平均貯蓄額は1745万円、他方、中央値は875万円。いずれの値も2000万円の大台には乗っていません。また気になるのは、平均と中央値の格差です。

この差が大きいということは、60代の間には貯蓄額において相当の差が生じていることを示しています。