国民年金、厚生年金の受給開始年齢は、原則65歳ですが、繰り上げ受給や繰り下げ受給も選択出来るようになっています。いざ年金を受け取る年齢になった時にどのように年金を受け取ればいいのか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、厚生労働省「第12回社会保障審議会年金部会」を参考に定年を迎える60代の方が損をしない年金の受け取り方について解説します。

公的年金の受給は原則65歳から

公的年金(国民年金+厚生年金)の受給開始年齢は、原則として65歳です。ただ、本人の希望によって、70歳まで最大5年間の繰り下げ(遅らせる)、あるいは60歳まで最大5年間繰り上げ(早める)をすることができます。

そして、受給開始年齢は公的年金の額を決める要素になります。65歳より前に繰り上げると年金額は減り、繰り下げると年金額が増える仕組みになっているからです。

具体的には繰り上げをすると、1カ月につき年金が0.5%減ります。一度繰り上げて受給すると、途中で変更することはできなくなります。減額された年金を一生受け取ることになるため、繰り上げ受給を積極的にすすめる専門家はいないと言っても過言ではありません。繰り上げ受給にはメリットがほとんどないからです。