70歳から受け取ると受給額を42%増やせる

一方、受給開始年齢を遅らせると、1カ月あたり0.7%が増額されます。例えば1年間受給開始を遅らせると、増加率は8.4%になるのです。そして、70歳から受給を開始した場合、42%も受給額が増えます。

さらに、2022年4月からは繰り下げ受給の年齢が、75歳まで延長されます。年金の受給開始を、60歳から75歳の広い範囲で選択できるようになるのです。最終的に75歳で受給を開始すると、84%も増額した年金を受け取ることが出来ますから繰り下げ受給は(上とつなげる)日本人の平均寿命が伸び「人生100年時代」といわれるようになった現在、長生きリスクに備える魅力的な選択肢といえるでしょう。

長生きリスクに備えるなら受給開始を繰り下げる

公的年金は生きている間、ずっともらい続けることができます。受給開始年齢を70歳からにすることで、公的年金の総額はどうなるのでしょうか。
もし70歳から公的年金を受け取る場合、受給額は42%増えますので、65歳からの受給額が仮に15万円だった場合、月額21.3万円(15万円×1.42)に増額されます。

65歳から82歳まで、通常の月額15万円で受け取れる総額は3,240万円(15万円×12カ月×18年)、繰り下げ受給をして70歳から82歳まで受け取れる総額は3322.8万円(21.3万円×12カ月×13年)になります。つまり、このケースでは82歳より長生きする自信があれば、70歳から受け取りを開始とした方がメリットは大きくなることがおわかりいただけると思います。