老後の生活を考えたとき、将来もらえる年金額について不安を感じる方も多いのではないでしょうか。ねんきん定期便を確認しても、この金額で生活できるのだろうかと頭を抱えてしまいます。

こうした年金情勢の中、定年延長制度を利用したり、再就職を選択する人も多いようです。ただし、「在職老齢年金」により、年金額が一部または全部が支給停止の対象となる場合もあるため、働くことをセーブしながらの就労という難しさがあります。年金が減額となる在職老齢年金とはどのような制度なのでしょうか。

「在職老齢年金」とは?

在職老齢年金について、日本年金機構のウェブサイトの説明を見てみましょう。

70歳未満の方が会社に就職し厚生年金保険に加入した場合や、70歳以上の方が厚生年金保険の適用事業所にお勤めになった場合には、老齢厚生年金の額と給与や賞与の額(総報酬月額相当額)に応じて、年金の一部または全額が支給停止となる場合があります。これを在職老齢年金といいます。

(出典:日本年金機構「在職中の年金(在職老齢年金制度)」

つまり、年金を受給しながら就労して厚生年金保険に加入している場合、収入額に応じて年金の一部、または全部が支給停止になる可能性があるという内容です。

減額となる年金額の基準について

65歳以上

「給与(※1)」と「年金月額(※2)の合計」が月47万円を超える場合

65歳未満

「給与」と「年金月額」が月28万円を超える場合

基本的に超えた金額の2分の1の年金額が減額となります。

(※1) 給与(総報酬月額相当額):(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額)÷12
(※2) 年金月額:老齢厚生年金年額÷12(基礎年金、加給年金を含まず)