退職金は人生の中でも一時的に最も大きなお金が手に入る機会と言っても過言ではないでしょう。したがって、どんな人でも慎重に資産運用をしたいと考えるのは当然でしょう。

しかし、日本の投資教育を振り返ると、働く世代の間にしっかりとした教育を受けてきた人というのは限られているというのが実際です。

また、家族の中に金融機関勤務経験者がいるという世帯も稀ではないでしょうか。

そういったことを考慮に入れると、老後に入って 年金生活を始めながら、資産運用を同時に人生で初めて取り組むという世帯も多いのではないでしょうか。

ただ、一口に資産運用といっても、金融商品も様々で何から取り組んでいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、運用会社の元勤務経験者が老後の資産運用の方法について解説をします。

定年退職者が「資産運用難民」と言われる理由

先ほどもお話ししたように定年退職時には退職金という人生で最もまとまったお金が手に入る機会というのは誰にとっても当てはまることでしょう。

その一方で、お金のプロの間では、定年退職者のことを「資産運用難民」と呼ぶ人もいます。それは一体なぜでしょうか。

これは様々な金融商品がある中で、年を重ねると選択できる金融商品に限りがあるということによるものです。

一般的に資産形成をする金融商品として挙げられるのが、以下のようなものです。

  • 貯蓄性保険
  • 投資信託
  • 株式投資

しかし、保険の場合には、加入しようとすると過去の健康状況などが考慮されるため、年を重ねると現実問題、自分が思うように入れないということも多々あります。

したがって、定年退職後などに資産運用を始めようとすると投資信託や株式投資しか残されていないということがあります。これをもって資産運用の選択肢が限定されるということで「資産運用難民」という言葉が生まれたわけです。

余談ですが、現在注目されている非課税枠のある投資制度で iDeCoというものがありますが、こちらは現時点で六十歳までの積立投資が可能となっていることを考えると、一般的な定年退職の年齢においては使えない制度ということになります。