銀行は、新型コロナ以前から長引くゼロ成長とゼロ金利に苦しめられて来ましたから、基礎体力の落ちている所に新型コロナショックが加わった、ということですね。
事態が悪化すると、不安を感じた預金者たちの間で「あの銀行は危ない」といった噂やデマが広がりやすくなります。そうなると、「急いで預金を引き出そう」と考えた預金者が銀行に殺到し、それを見た他の預金者も急いで殺到する、といったことが起きないとは限らないのです。
以上、色々と記して来ましたが、本シリーズは予測ではなくリスクシナリオですので、リスクの存在を頭の片隅に置いておこう、ということであって、過度な懸念は不要です。
本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。
<<筆者のこれまでの記事はこちらから>>
塚崎 公義