預金保険制度がある

預金保険という制度があります。大雑把に言えば「銀行が倒産しても、残高1000万円までの預金は政府が代わりに払い戻してあげます」というものです。

主目的は、銀行倒産の被害から庶民を守ることなのでしょうが、これには取り付け騒ぎを防ぐ効果もあります。「銀行が倒産しても、あなたの預金は政府が代わりに払い戻しますから、銀行に殺到しなくても大丈夫ですよ」ということだからです。

これは、理屈上は良くできた制度なのですが、残念なのは、この制度があることを知っている預金者が少ないので、実際には殺到する必要のない預金者たちが銀行に殺到してしまうだろう、ということです。

余談ですが、日本政府はせっかく良い制度を作っても広報宣伝が巧くありませんね。預金保険制度もですが、新型コロナに関する資金繰り支援策も色々と策定されているのに必要な人に必要な情報が行き渡っていないようですから。

政府は地銀等に公的資金を注入しやすくする方針ですから、これも人々に周知されれば銀行倒産の噂を信じる人が減り、取り付け騒ぎが起きにくくなると期待されます。もっとも、政府が上手に広報すれば、という前提ですが(笑)。