銀行の健全性確保に多様な取り組み

一般企業がハイリスク・ハイリターンのビジネスを行なって倒産したとしても、自己責任です。しかし、銀行が倒産すると、一般企業の倒産とは比較にならないほどの悪影響を経済全体に及ぼします。

そこで、銀行が倒産しないように、健全性を維持させる様々な取り組みがなされています。

まず、銀行はハイリスク・ハイリターンなビジネスを手がけることが制約されています。自己資本比率規制なども課されていて、自己資本に比べて貸出残高が一定以上に増やせないようになっています。

たとえば「貸出残高の8%が回収不能となっても銀行が潰れない」ということが貸出実行の条件となっていたりするわけです。

また、銀行の不良債権が増えていないか等々を確認するための検査も定期的に行われていて、不良債権が増えていると改善命令が出されたりすることになります。

こうした対策によって、預金者たちは「政府が銀行の安全性を確保してくれているから、銀行は倒産しないだろう」と安心できるわけですね。