総務省統計局の「家計調査報告」では、50代の2人以上世帯では、全国平均で可処分所得の31.3%となっています。つまり手取りの7割を生活費として使い、残り3割が黒字。しかし、家計の構造で説明したとおり、この黒字分が全部、貯蓄に回っているわけではありません。50代は住宅ローンの返済が大変で、なかなか貯蓄できない世帯も多いようです。

住宅ローンを返済すると、そのぶん、借入金が減少して純資産が増え、家計は改善します。しかし住宅は最も現金化しにくい資産で、値下がりする可能性もあります。住宅ローンを抱える世帯は、繰り上げ返済も視野に入れつつ、金融資産を増やす貯蓄にも黒字分を振り向けることを重視すべきです。

貯蓄に回す割合の1つの目安は、手取りの2割を目標に定期預金や投資信託など金融資産への積み立てを検討しましょう。住宅ローンの返済が終わった、子どもが自立したなど余裕ができたら3割を目標にします。

手取りの2~3割貯蓄で実現すること

現役時代、手取りの2~3割を貯蓄すると、どれくらい貯められるでしょうか?手取り金額
により違ってくるので、手取りとの比率で考えると、次のようになります。