一般的に、深夜帯での営業を行うには、深夜手当てを加えた賃金を従業員に支払わなければならない。
しかし、昨今、働き方改革の普及に伴う労働者の意識変化や人手不足に伴う人件費高騰を背景に労働力の確保が難しくなってきており、深夜営業のハードルが高まっているのは多くの方も感じていることであろう。
ファミレスにおいては日中の方が深夜よりも店舗稼働率が高いと考えるのが自然であり、ただでさえ低収入な深夜帯に高い人件費を払って営業を続ける経済的メリットは年々薄れているとみている。
こうした状況はすかいらーくの利益に悪影響を及ぼしてきた。2014年の再上場以降、売上収益は店舗拡大を通じて増加を続けているものの、人件費率が上昇を続ける中で営業利益は2016年12月期の312億円をピークに以降は減益が継続。こうした背景により、今回の深夜営業に関する施策が出てきたと考えられる。
収益率についても芳しくない。営業利益率は2016年12月期の9%から、2018年12月期の6%まで低下した。よりキャッシュベースの利益指標である調整後EBITDAも2016年12月期の479億円から2018年12月期に393億円まで落ち込んでおり、対売上高比率も14%から11%へと低下した。
深夜営業縮小で利益率改善なるか
採算悪化の状況に対して同社は高付加価値メニューの拡充などを通じて客単価上昇・利幅拡大を図っているものの、売上総利益率は約70%のまま横ばいが続いており、目立った改善は見えない。