薬物使用の容疑で、田口淳之介、田代まさし、沢尻エリカなど有名人の逮捕が相次ぎ、薬物そのものや薬物による影響、薬物使用者に対する注目が集まっています。
最近では薬物使用の低年齢化も問題になっています。実際、今年1~6月に大麻の密売や所持で全国の警察が摘発した2093人(前年同期比403人増、過去最多)のうち、20代は913人(43.6%)、20歳未満は283人(13.5%)で、合計で全体の半数以上に。また、大学生60人、高校生51人、中学生も4人と発表されています。
しかし、普通に学校に通う真面目そうな小・中学生などの未成年者たちのすぐ身近に薬物があるという実感を持つ人は、まだまだ少ないようです。そこで今回は、中3から1年半家出した経験を持つ筆者が、薬物と未成年者のリアルな距離と危険性についてお伝えしたいと思います。
「そういえばクスリ、○○で普通にもらえるよな?」
筆者が家出をしている間は特に、睡眠薬からシンナー、合法ドラッグ、覚せい剤などたくさんの薬物について見聞きする機会がありました。
そうした経験のなかでも驚いたのが、学業に励んでいる見た目が普通の未成年者たちの薬物使用であり、そういった未成年者たちを翻弄する悪い大人たちの姿です。つまり、家出をするような少年少女だけでなく、真面目な未成年者であっても薬物に関わる機会がないというわけではないのです。
薬物を使用する未成年者は往々にして真面目でストイックな性格で、「家族や友人関係などで孤独感に苛まれている」「何らかの劣等感を持っている」というケースも少なくありません。
筆者は家出をするような子供だったものの、薬物は怖くて未経験だったのですが、ある日バッタリと会った同級生のAは「久しぶり! 元気?」などいくつか言葉を交わしたあと、「そういえばクスリ、○○(店名)で普通にもらえるよな? 俺、マジでびっくりしたわぁ」と、まるで日常会話のように続けてきました。
Aは、中学生のときに県外から転校してきた男子で、昭和のマンガに出てきそうな太い眉と黒髪が印象的な真面目そうな見た目。多少の下ネタを口にすることや小テストでのカンニングが発覚したことはあったものの、やんちゃなメンバーと交わるでもなく、どこにでもいる普通の生徒でした。
「え…? ○○って、普通に飲食店だよね? そんなところで普通にもらえるの?」