筆者の身近には、薬物がらみではなく未成年でもないものの、Cのように家族との衝突の末に家を飛び出して亡くなったケースが複数あります。

子供の成長や力量には差があり、保護者が望む育ち方をしないこともあると思います。けれど、家を追い出す前にいま一度、我が子の個性や魅力を活かせる場所がないか、そして子供との関係性を修復できないかどうかを模索してほしいと願うばかりです。

おわりに

筆者が身近に薬物を見聞きしながらも手を出さなかったのは、小心者でヘタレだったという理由のほかに、薬物への恐怖心がとても大きかったからです。

興味本位や学校の授業などで、薬物中毒者の映像や薬物が原因で命を落とすドキュメンタリーなどを頻繁に見ていた時期があり恐怖を感じていたこと。そして、「薬物と賭け事、保証人は絶対してはいけない」という幼少期からの両親の教育があったからこそだと思っています。

今回紹介した未成年者の薬物絡みの話は、実は、ほんの一部に過ぎません。家出などをすれば、より薬物との距離が縮まるのはもちろんのこと、普通に学校に通っている小・中・高校生であってもごく身近な危険であるということを実感いただければ幸いです。

「うちの子は大丈夫」と高をくくらず、子供のちょっとした言動や行動の変化を見逃さないようにしたいものです。

松原 朱里