驚く筆者に「そうそう、普通に。最初、普通に手渡されてマジびっくりしたし」と軽いノリ。
A「それから、行くたびに後ろから小袋が回ってきてさ」
筆者「は? 後ろからって?」
A「あ、他のお客からは見えないように背中から手を回して、腰のあたりからこうやって」
Aは身振り手振りで解説してくれましたが、「…Aって、クスリやってんの?」という筆者の問いには答えず、「詳しくはまた! いま時間ないから、また今度、一緒に行かない?」と誘ってきただけでした。
その後は家出をしていたため、しばらくAとは会う機会がありませんでした。10代の終わりにたまたま再開したAの元彼女に行方を聞いてみたところ、行方知れずのうえ薬物絡みで暴力団に下手を打ったという噂もあるとかないとか…という話。
特にやんちゃでも目立ってもいなかったAが、ある日フラリと入った飲食店でクスリを手に入れたことにより人生の歯車が狂ったのかと思うと、正直かなり残念な気持ちになりました。
慣れた手つきで大麻を吸う真面目そうな大学生
家出中にたまたま知り合った大学生3人(当時19歳)は、見た目はとても真面目そうで、気弱なインテリ系。インドア派でカルチャーを好むような印象でした。
実際に通っていたのも県内一優秀な大学でしたし、偏差値も高い学科で、部屋にはたくさんの教科書や資料が並び、整理整頓の行き届いた清潔感のある部屋だったのです。薬物をやっているなんて、誰が想像するでしょう?
お互いが馴染んできた頃、勉強机の上に慣れた手つきで紙を広げ、粗い粉のようなものをその上に置いてタバコのように巻いて「やるよね?」と尋ねられました。
筆者「え…? それ、何?」
大学生「ジョイント」
筆者「ショイン…? え、何?」
最終的には、大学生から「家出とかしてるのに知らないの? わからないんならいいや。ま、タバコみたいなもんよ」と言われてはぐらかされましたが、のちに「ジョイント=大麻」だと知って驚いたものです。