3人はタバコのようにきれいに巻いた紙に火をつけると、3人で回し合いながら煙を吸い、だんだんと妙なテンションになっていきました。気味が悪くなった筆者と筆者の友人は、「ヤバくない?」「帰ろう!」と小声で示し合せて大学生宅を飛び出し、全身に入れ墨のある人から又借りしていたアパートに帰宅しました。

その後は大学生3人と連絡を取ることも会うこともありませんでしたが、よくあのとき、なんとなく嫌な予感がして勧めを断ったものだと思っています。

全身に入れ墨のある転貸人

家出中にアパートを又貸ししてくれたのは、全身に入れ墨のある2人で、1人は「若頭」という立場、もう1人は若頭の「弟分」という立場でした。

いまから思えば、こういった人たちと知り合った時点で薬物との距離はグンと縮まる可能性が高くなるわけです。ただ、幸い2人はとても紳士的で宴会コンパニオンなどの仕事を紹介してくれただけでなく、筆者や友人が客とモメたときも私たちの肩を持って庇ってくれました。

しかし、中には家出中の未成年者を薬物漬けにして売春をさせるような悪人もいます。後で知ったことですが、全身に入れ墨のある2人は自身でも薬物をやっており、知り合いの未成年者たちにも販売していたようです。

もしかしたら、「やさしい」「信頼できる」という印象を植えつけながら、筆者たちへの薬物販売時期を待っていただけだったのかもしれません。

目立たない普通の女子大生BからのSOS

「目が覚めたら全然知らない男の人が隣に寝てて、私…裸だったし…」

家出期間が終了し、筆者が最初の結婚生活をスタートさせていた18歳のとき、中学の同級生Bから突然連絡があり、震える声でそう打ち明けられたことがあります。Bは背が高く明るい性格で、好奇心は旺盛だけど控え目で小心なところのある、普通の目立たない同級生でした。

筆者「え…? 全然知らない人…?」
B「うん。居酒屋で意気投合して飲んでたら盛り上がってきて…飲み物に何か錠剤みたいのを入れられてたような…そのあとの記憶が…」
筆者「“飲んでたら”って…B、未成年じゃん?」
B「そりゃあそうだけど、朱里(筆者)だって飲むでしょ?」
筆者「まぁ、それはそうだけど…」
B「そんなことより…どうしよう…どうしよう…」
筆者「いま、どこ? まだ、そいつの家?」
B「ううん、さっき、とりあえず服だけ着て逃げ出してきた! いま、外…」
筆者「無理矢理えっちされたってこと?」
B「わからないけど…でも、下着も付けてなかったし…」