4. 【公務員の給料】月給の引き上げは5年連続。ここ3年は3%前後の改定が続く

人事院勧告は、民間給与の動きを映す鏡ともいえます。2020年以降の勧告の推移を見てみましょう。

4.1 2020年・2021年はボーナスが引き下げに

2020年と2021年は月例給の改定がなく、ボーナスはそれぞれ0.05月分、0.15月分引き下げられました。行政職の平均年間給与も、2020年は2.1万円、2021年は6.2万円の減少でした。

4.2 2022年から月給・ボーナスともに引き上げ

2022年からは、月例給とボーナスがともに引き上げられています。月例給の較差は2022年の0.23%から、2023年に0.96%、2024年に2.76%、2025年に3.62%と大きくなり、2026年も3.51%でした。平均年間給与の増加額は、2025年の26.3万円、2026年の26.6万円と2年続けて20万円台後半です。

2020年以降の人事院勧告の推移(行政職俸給表(一))です。4/5

人事院勧告の推移

出所:人事院「令和8年人事院勧告」をもとにLIMO編集部作成

5. 【公務員の給料】転居をともなう転勤に、新しい手当

2026年の勧告では、転勤にともなう経済的な負担を軽くするための見直しも盛り込まれました。

5.1 単身赴任でなくても対象に

2027年4月から、転居をともなう転勤をした職員を広く対象とする手当が新しく設けられます。これまでの単身赴任手当の加算とは違い、家族と一緒に転居する職員も対象になります。支給期間は異動から3年間です。

手当の月額は転居の距離によって決まり、たとえば100km以上300km未満なら単身赴任者は1万8000円、それ以外の方は9000円です。人事院は、東京から大阪への異動で年額約22万円(単身赴任者は約49万円)になる例を示しています。

新設される転居に関する手当の、主な距離区分ごとの月額です。5/5

新設される転居に関する手当の月額

出所:人事院「令和8年人事院勧告」をもとにLIMO編集部作成

単身赴任者には、この手当とは別に、二重生活の生計費を補助する単身赴任手当(月3万円)が支給されます。広域異動手当の支給割合も、2026年4月から引き上げられます。

6. 【FPの視点】勧告はそのまま給与になるわけではない

人事院勧告は、国家公務員の給与を決めるための大切なよりどころですが、勧告がそのまま給与になるわけではありません。

6.1 実施には給与法の改正が必要

人事院の勧告を受けて、内閣が取り扱いを決め、国会で給与法が改正されることで、給与の改定が実施されます。今回の勧告の取り扱いや法改正の状況は、内閣や国会の最新の情報で確認してください。

6.2 地方公務員の給与は自治体ごとに決まる

人事院勧告の対象は国家公務員で、地方公務員の給与は、それぞれの自治体で決まります。お住まいの地域や勤務先の自治体の給与については、各自治体が公表している情報を確認するとよいでしょう。

民間企業に勤める方にとっても、人事院勧告は民間の給与の動きを知る手がかりになります。ご自身の給与明細とあわせて、賃上げの流れを確かめてみてはいかがでしょうか。

7. まとめにかえて

2026年の人事院勧告では、国家公務員の月給を平均1万5056円(3.51%)、ボーナスを年4.70月分に引き上げることが示されました。初任給は一律9500円上がり、一般職(大卒)は24万1500円になります。月例給の引き上げは2022年から5年続いています。

国家公務員の給与は、民間企業の給与水準に合わせることを基本に決まる仕組みです。数字の大小だけでなく、その背景にある民間の賃上げの流れにも目を向けてみると、ご自身の働き方や家計を考えるヒントになるかもしれません。

給与の改定は、給与法の改正などの手続きを経て実施されます。最新の情報は、人事院や内閣、国会の公表資料で確認してください。

参考資料

村岸 理美