公務員のボーナスは、同じ地方公務員でも勤め先の自治体によって違います。

総務省の「令和7年地方公務員給与の実態」は、令和7年4月1日現在の給料と諸手当を、都道府県・指定都市・市区町村に分けてまとめた調査です。

この記事では、この調査から20の指定都市の職員の月収・ボーナス・年収を取り出し、市ごとの差を確認していきます。

1. 【指定都市の公務員】20市の平均はボーナス178万865円、年収695万5985円

まず、20の指定都市の公務員の給与を、1つにまとめた平均から見ていきます。

1.1 月収・ボーナス・年収の3点はこう組み立てた

月収は、給料に扶養手当・地域手当・通勤手当・特殊勤務手当・管理職手当・時間外勤務手当・その他の手当を加えた額です。いずれも職員1人当たりの平均月額として公表されています。

ボーナスは期末手当と勤勉手当の年額で、こちらは支給職員1人当たりの平均です。年収は月収の12か月分にボーナスを加えた試算で、調査そのものに年収という項目はありません。

1.2 20市の単純平均は月収43万1260円

全職種で20市の単純平均を出すと、月収43万1260円、ボーナス178万865円で、年収は695万5985円になります。

職員の平均年齢は、市によって39.9歳から43.4歳まで開きがあります。

安達さやか
安達 さやか
月収の中身について、ひとつ補足します。給料そのものは20市の差が小さく、最も低い大阪市が月32万6700円、最も高い北九州市が月35万4500円で、開きは2万7800円にとどまります。しかも北九州市は給料では20市で最も高いのに、手当を加えた月収では16位です。反対に大阪市は給料が最も低くても月収は7位でした。月収の順位を動かしているのは給料表の水準ではなく、手当のほうです。自分の勤め先と比べるときも、給料と手当を分けて見ておくと、どこで差がついているのかが分かりやすくなります。

2. 【指定都市の公務員】ボーナスは横浜市の192万100円が最も高い

次に、期末手当と勤勉手当を合わせたボーナスの年額を、指定都市20市で並べます。

2.1 20市のボーナスの一覧

最も高いのは横浜市の192万100円、最も低いのは札幌市の165万4500円で、差は26万5600円です。

指定都市20市の職員のボーナス(期末手当と勤勉手当の年額・全職種)1/2

指定都市20市の職員のボーナスを高い順に並べた横棒グラフ。最も高いのは横浜市の192万100円、最も低いのは札幌市の165万4500円

出所:総務省「令和7年地方公務員給与の実態」を参考にLIMO編集部作成

【ボーナスが高い順(全職種)】

  • 1位 横浜市:192万100円
  • 2位 川崎市:190万4600円
  • 3位 名古屋市:186万600円
  • 4位 さいたま市:183万5400円
  • 5位 大阪市:182万8000円
  • 6位 千葉市:182万6000円
  • 7位 京都市:182万3200円
  • 8位 神戸市:181万1200円
  • 9位 相模原市:178万3300円
  • 10位 岡山市:176万6700円
  • 11位 広島市:176万6000円
  • 12位 浜松市:175万9500円
  • 13位 新潟市:175万5600円
  • 14位 堺市:175万1400円
  • 15位 北九州市:173万6100円
  • 16位 福岡市:172万8600円
  • 17位 仙台市:171万9500円
  • 18位 静岡市:171万5800円
  • 19位 熊本市:167万1200円
  • 20位 札幌市:165万4500円

3. 【指定都市の公務員】年収の1位は川崎市、最も低い熊本市との差は97万2600円

ボーナスに月収の12か月分を加えて年収にすると、指定都市の順位は入れ替わります。

3.1 年収の試算は川崎市の744万3800円が最も高い

年収の試算額が最も高いのは川崎市の744万3800円でした。月収46万1600円、ボーナス190万4600円という内訳です。

ボーナスが1位の横浜市は月収が44万2300円で、年収は722万7700円の5位になります。

【月収・ボーナス・年収(全職種・年収が高い順)】

  • 1位 川崎市:月収46万1600円/ボーナス190万4600円/年収744万3800円
  • 2位 さいたま市:月収45万8300円/ボーナス183万5400円/年収733万5000円
  • 3位 千葉市:月収45万6800円/ボーナス182万6000円/年収730万7600円
  • 4位 名古屋市:月収45万3800円/ボーナス186万600円/年収730万6200円
  • 5位 横浜市:月収44万2300円/ボーナス192万100円/年収722万7700円
  • 6位 神戸市:月収44万9500円/ボーナス181万1200円/年収720万5200円
  • 7位 大阪市:月収43万5900円/ボーナス182万8000円/年収705万8800円
  • 8位 京都市:月収43万5300円/ボーナス182万3200円/年収704万6800円
  • 9位 相模原市:月収43万2900円/ボーナス178万3300円/年収697万8100円
  • 10位 堺市:月収43万4900円/ボーナス175万1400円/年収697万200円
  • 11位 仙台市:月収42万9000円/ボーナス171万9500円/年収686万7500円
  • 12位 広島市:月収42万4100円/ボーナス176万6000円/年収685万5200円
  • 13位 新潟市:月収42万1800円/ボーナス175万5600円/年収681万7200円
  • 14位 静岡市:月収42万3600円/ボーナス171万5800円/年収679万9000円
  • 15位 福岡市:月収42万1900円/ボーナス172万8600円/年収679万1400円
  • 16位 岡山市:月収41万6000円/ボーナス176万6700円/年収675万8700円
  • 17位 北九州市:月収41万8400円/ボーナス173万6100円/年収675万6900円
  • 18位 浜松市:月収40万7000円/ボーナス175万9500円/年収664万3500円
  • 19位 札幌市:月収40万2100円/ボーナス165万4500円/年収647万9700円
  • 20位 熊本市:月収40万円/ボーナス167万1200円/年収647万1200円

3.2 差は97万2600円、うちボーナスは23万3400円

年収の試算額が最も低いのは熊本市の647万1200円で、川崎市との差は97万2600円です。

このうちボーナスの差は23万3400円で、残る73万9200円は月収の差が12か月分積み重なったものです。

川崎市と熊本市の年収を、月収の12か月分とボーナスに分けて示した図2/2

川崎市は月収の12か月分553万9200円とボーナス190万4600円で年収744万3800円、熊本市は480万円と167万1200円で647万1200円の試算

出所:総務省「令和7年地方公務員給与の実態」を参考にLIMO編集部作成

4. 指定都市の公務員の月収に差が生まれる理由は地域手当

月収の差がどこから来ているのかを、指定都市の手当の内訳で見ていきます。

4.1 川崎市の地域手当は月5万6100円、熊本市は月900円

給料だけを比べると、川崎市は月33万7700円、熊本市は月33万9300円で、熊本市のほうがわずかに高い水準です。

差をつくっているのは地域手当です。川崎市は月5万6100円、熊本市は月900円でした。

地域手当が月5万円を超えているのは、横浜市・川崎市・さいたま市・千葉市・名古屋市・大阪市の6市です。

安達さやか
安達 さやか
年収を比べるときに、あわせて見ておきたい数字があります。職員の平均年齢です。最も高いのは北九州市の43.4歳、最も低いのはさいたま市と福岡市の39.9歳で、3.5歳の開きがあります。公務員の給料は勤続年数に応じて上がる仕組みなので、平均年齢が高い市ほど給料の平均も高くなりやすい面があります。実際、給料が最も高い北九州市は平均年齢も20市で最も高い市でした。市ごとの金額の差には、給与制度の違いだけでなく、どの年代の職員が多いかも影響しています。順位をそのまま待遇の差と受け取らず、前提の違いも押さえておきたいところです。

指定都市20市の公務員のボーナスは平均178万865円で、最も高い横浜市と最も低い札幌市では26万5600円の開きがありました。

年収で比べると川崎市が最も高くなり、熊本市との差の多くは地域手当を含む月収から生まれています。勤め先の市の水準は、各市が公表している職員の給与の状況で確かめてみましょう。

ここからは、同じ調査の一般行政職の数字で、20市のボーナスと年収がどう変わるかを見ていきます。