自治体の窓口や保育所、学校、図書館では、正規の職員だけでなく、1年ごとに任用される職員も多く働いています。

総務省が公表した「令和7年度会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査結果」によると、2025年4月1日時点の会計年度任用職員は68万6636人でした。

職種別では一般事務員が3人に1人を占め、1時間当たりの報酬は職種によって1000円以上の開きがあります。

この記事では、会計年度任用職員の人数と職種の内訳、主な職種の報酬の水準を順に確認していきます。

1. 会計年度任用職員は68万6636人、89.4%がパートタイム

会計年度任用職員は、地方公共団体が会計年度(4月から翌年3月まで)の範囲内で任用する一般職の職員です。2020年4月に制度が始まりました。

1.1 臨時・非常勤職員76万8752人のうち89.3%が会計年度任用職員

調査の対象は、任用期間が6か月以上で、1週間の勤務時間が19時間25分以上の職員です。この条件にあたる臨時・非常勤職員は76万8752人で、前年から2万6328人(3.5%)増えました。

このうち会計年度任用職員が68万6636人で89.3%を占め、臨時的任用職員が7万7366人、特別職非常勤職員が4750人でした。

1.2 フルタイムは7万3020人、パートタイムは61万3616人

会計年度任用職員のうち、常勤職員と同じ勤務時間で働くフルタイムは7万3020人で10.6%、それより短い時間で働くパートタイムは61万3616人で89.4%でした。

男女別では、女性が52万2858人で76.1%、男性が16万3778人で23.9%と、約4分の3を女性が占めています。

2. 会計年度任用職員を職種別に見ると一般事務員が22万7104人で33.1%

次に、会計年度任用職員がどのような仕事に就いているかを職種別に見ていきます。

2.1 一般事務員に保育士等と技能労務職員が続く

最も多いのは一般事務員の22万7104人で、全体の33.1%でした。次いで保育士等が9万7468人(14.2%)、給食調理員を含む技能労務職員が9万4810人(13.8%)です。

会計年度任用職員の職種別人数(2025年4月1日時点)1/2

会計年度任用職員の職種別人数を示した横棒グラフ。一般事務員が22万7104人で最も多い

出所:総務省「令和7年度会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査結果」をもとにLIMO編集部作成

図に入れた職種別の人数と構成比は次のとおりです。

  • 一般事務員:22万7104人(33.1%)
  • 保育士等:9万7468人(14.2%)
  • 技能労務職員:9万4810人(13.8%)
  • 教員・講師:3万5888人(5.2%)
  • 看護師等:3万2106人(4.7%)
  • 図書館職員:1万9721人(2.9%)
  • 医療技術員:1万2577人(1.8%)
  • 技術職員:7981人(1.2%)
  • 医師:5320人(0.8%)
  • その他:15万3661人(22.4%)

2.2 団体区分別では市区が39万6765人で57.8%

任用している団体別に見ると、市区が39万6765人で57.8%を占め、都道府県が11万6712人(17.0%)、町村が8万5601人(12.5%)、指定都市が7万1238人(10.4%)でした。

どの団体区分でも一般事務員が最も多く、都道府県では教員・講師と技能労務職員、指定都市・市区・町村では保育士等と技能労務職員が続いています。

3. 会計年度任用職員の1時間当たりの報酬、平均が最も高いのは教員・講師の2514円

調査では、主な職種について会計年度任用職員の1時間当たりの給料(報酬)の額も集計しています。額には地域手当にあたる分が含まれ、平均額は団体ごとの額を単純に平均したものです。

3.1 事務補助職員の平均は1389円

任用している団体が最も多い事務補助職員(一般事務職員のうち常勤職員の補助業務を行う人)は、平均1389円でした。保育士等は1456円、図書館職員は1365円です。

専門性が求められる職種は高く、消費生活相談員は1739円、教員・講師は「2514円」でした。

会計年度任用職員の主な職種の1時間当たりの給料(報酬)の平均額2/2

会計年度任用職員の主な職種の1時間当たりの給料(報酬)の平均額を示した横棒グラフ。教員・講師が2514円で最も高い

出所:総務省「令和7年度会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査結果」をもとにLIMO編集部作成

職種ごとの平均額と、集計の対象になった団体数は次のとおりです。

  • 教員・講師:2514円(1495団体)
  • 消費生活相談員:1739円(795団体)
  • 保育士等:1456円(1661団体)
  • 事務補助職員:1389円(2509団体)
  • 図書館職員:1365円(1353団体)

3.2 最も高い職種と低い職種の差は1149円

平均額が最も高い教員・講師と、最も低い図書館職員の差は1時間当たり1149円でした。

同じ職種でも、団体によって額は違います。平均額は、あくまで団体ごとの額をならした目安です。

4. 会計年度任用職員の報酬に差が生まれるのは常勤職員の給料表を基礎にしているから

報酬の水準が職種や団体で違うのは、会計年度任用職員の報酬が、似た仕事をする常勤職員の給料表をもとに決められているためです。

4.1 全ての職種で常勤職員の給料表を基礎としている団体は91.2%

総務省は、給与水準について、類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級の初号給の給料月額を基礎とするよう助言しています。

調査では、全ての部門・職種で常勤職員の給料表を基礎に報酬を決めている団体が全体の91.2%でした。職種ごとの事情で一部の部門・職種では基礎としていない団体は5.2%です。

4.2 経験を報酬に反映している団体は再度の任用で89.7%

初めて任用するときに、全ての部門・職種で職務経験などを考慮して報酬を決めている団体は77.8%でした。同じ職に再度任用するとき、経験年数などを踏まえて報酬を決めている団体は89.7%です。

太田 彩子

自治体の窓口や事務の仕事は、正規の職員だけでなく多くの会計年度任用職員に支えられています。筆者は3つの地方自治体で、正規職員と臨時職員を経験しました。会計年度任用職員の報酬は常勤職員の給料表が基礎になるため、同じ職種でも自治体によって額が違います。応募を考えるときは、募集要項で1時間当たりの額と勤務時間を確かめてみましょう。