6. 今年の変更点は?75歳以上の高用量ワクチンは見送り

令和8年度は、75歳以上の人を対象に、高用量インフルエンザワクチンを定期接種で使う予定でした。2026年2月の厚生科学審議会の分科会で、この方針が了承されていました。

しかし、製造販売業者から、製造工程の技術的な課題で薬事承認が大幅に遅れ、今年度の流行期からの供給が難しいという報告がありました。7月23日の分科会で、令和8年度からの定期接種化は見送る方針になっています。

このため、今年度の定期接種で使うのは、これまでと同じインフルエンザHAワクチンです。今後の時期は、承認と供給の状況を見て、あらためて審議会で話し合うとされています。

7. 新型コロナの定期接種はいくら?インフルエンザより高い市が多い

新型コロナワクチンも、インフルエンザと同じく65歳以上の人などを対象にした定期接種です。厚生労働省は、令和8年10月から自治体による定期接種を行うとしており、費用は原則として有料です。

インフルエンザと同じページで金額を示している政令市を見ると、自己負担は5500円から1万1800円でした。

新型コロナの自己負担は、同じ市のインフルエンザの3倍から7倍あまり3/3

新型コロナの定期接種の自己負担額(政令市の例)

出所:岡山市・北九州市・さいたま市・熊本市・広島市の公式ページ(2026年10月1日時点)をもとにLIMO編集部作成

岡山市は、新型コロナの自己負担が昨年度から大きく下がったとしています。非課税世帯は助成券を使うと2700円で、生活保護世帯などは無料です。

新型コロナの実施期間は、さいたま市・広島市・北九州市などで令和9年3月31日までと、インフルエンザより長く設定されています。両方を受けるときは、それぞれの期間も見ておくことをおすすめします。

8. 健康被害が出たときは?定期接種は予防接種法の救済制度の対象

定期接種で受けた予防接種の副反応で健康被害が出た場合は、予防接種法にもとづく健康被害救済制度の対象になります。厚生労働大臣が接種との因果関係を認めると、市町村から給付が行われます。

インフルエンザは、予防接種法でB類疾病に分類されています。B類疾病の定期接種の給付には、次のような決まりがあります。

  • 医療費・医療手当は、入院が必要と認められる場合に限られる
  • 障害年金は1級と2級が対象で、3級はない
  • 各給付には5年の請求期限がある
中本 智恵
無料の対象になるかどうかは、介護保険料の通知書などの書類で確認できることが多いです。接種の予約をする前に、書類の置き場所を見ておくと手続きがスムーズです。

9. まとめにかえて

高齢者のインフルエンザ定期接種は、65歳以上の人などが対象で、多くの市で10月1日から始まりました。政令市20市の自己負担は1000円から2300円で、最も多いのは1500円です。

生活保護世帯は20市とも無料で、市民税非課税世帯は16市が無料、千葉市と岡山市は900円に減額されます。新潟市と京都市では、非課税世帯でも通常の自己負担がかかります。

実施期間は多くの市が1月31日までですが、横浜市は12月31日までです。お住まいの市のページで金額と期間、無料になる条件を確かめ、分からない点は市の予防接種の担当窓口に問い合わせてみてください。

参考資料

中本 智恵