3. 【就業者負担軽減支援金】もらえる条件は?高所得者への対応と「こども加算」の考え方
「就業者負担軽減支援金」は、中低所得の現役世代を対象としています。
支援金を受け取るためには「所得下限額(この金額以上稼いでいる必要がある基準)」を超えており、かつ「所得上限額」以下である必要があります。つまり、一定以上の所得がある高所得層は対象から外れる仕組みです。また、所得が上限額に近づくにつれて支援額が少しずつ減っていく「逓減(ていげん)」というルールも設けられており、所得が増えるほど給付が少なくなるか、ゼロになる設計となっています。
ここで注目したいのが、多様な家族の形に寄り添う経済的な配慮です。
支援金の所得要件のイメージ3/3
出所:内閣官房・社会保障国民会議「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱(令和8年9月15日閣議決定)」をもとにLIMO編集部作成
支援金には、19歳未満(制度開始当初の2年間は16歳未満)の扶養親族がいる場合に上乗せされる「こども加算」が検討されています。さらに、支給の基準となる所得上限額そのものが、扶養している子どもの数に応じて高く設定される仕組みです。
たとえば、同じ年収であっても、単身世帯と、複数の子どもを養育している世帯とでは、生活にかかる経済的な負担は大きく異なります。子育てにかかる費用の重さに配慮し、家族が多い世帯ほど上限額のハードルが下がり、支援を受けやすくなる設計がなされているのです。
一方で、子どもがいなくても所得の条件を満たせば基本となる支援金を受け取れるため、消費税減税とあわせて、それぞれの立場に寄り添った制度になることが期待されます。
4. 新制度に向けて今すぐ始めたい!家計管理の「3つの見直しステップ」
これらの新しい制度が来年春から始まると仮定した場合、私たちの生活をより良くするために、今から準備できることがあります。お金の専門家としておすすめしたい「3つの見直しステップ」をご紹介します。
1つ目は、「日々の食費のベースラインを知る」ことです。消費税が引き下げられると食費の負担は減りますが、現在の生活でいくら食費がかかっているかを把握していなければ、減税の効果を実感できません。まずは1カ月間だけでもレシートを集め、およその金額を書き出してみましょう。スマートフォンの家計簿アプリなどを活用すると、手間なく振り返りができるので初心者の方にもおすすめです。
2つ目は、「浮いたお金の行き先を決めておく」ことです。減税や支援金によって生活費に余裕が生まれたとき、なんとなく使ってしまうと手元にお金は残りません。あらかじめ「月に3000円浮いたら、それは家族のレジャー費に回す」「緊急時の備えとして貯金する」など、目的を決めておくと心も豊かになります。
3つ目は、「支援金に頼りすぎない家計の土台を作る」ことです。支援金などの給付は、一定期間で終了したり、制度が変わったりする可能性があります。そのため、固定費(家賃や通信費、保険料など毎月必ずかかるお金)を見直し、給付金がなくても無理なく生活できる家計の土台を作っておくことが、長期的な安心につながります。
5. まとめにかえて
今回は2027年春からの開始が予定されている消費税減税と就業者負担軽減支援金について解説しました。
今回発表された大綱はあくまで制度の枠組みを示したものであり、具体的な所得基準や加算額は今後の法案で詳細が決定される見通しです。国の借金に頼らず財源をやりくりし、世帯の事情に合わせて支援を届けるという大きな方向性が見えてきました。今後の詳細な発表にも引き続き注目していきましょう。
参考資料
- 総務省「令和6年度地方財政対策のポイント」
- 総務省「令和7年度地方財政対策のポイント」
- 総務省「令和8年度地方財政対策のポイント」
- 財務省「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案要綱」
- 内閣官房・社会保障国民会議「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱(令和8年9月15日閣議決定)」
- 内閣官房・社会保障国民会議「概要資料」
村岸 理美
