2. 保険料を40年納めた人と25年の人ではいくら差が出る?
前章で、年金生活者支援給付金の支給額は、国民年金保険料の納付済月数によって金額が異なることを解説しました。では実際に、どのくらいの差が生じるのか気になる方もいるでしょう。
そこでここでは、保険料を40年間納めた方と25年間納めた方を比較して、その差がどのくらいになるのかシミュレーションしてみます。
2.1 保険料を40年間納付した場合
国民年金保険料を40年間(480か月)納付した場合、基準額の満額である5620円が支給されます。
10月15日に振り込まれるのは8月分と9月分の2か月分なので、1万1240円となる計算です。
計算)
5620円×2か月=1万1240円
2.2 保険料を25年間納付した場合
国民年金保険料を25年間(300か月)納付し、残りの15年(180か月)が未納だった場合は、月額3513円となります。基準額が5620円であるのに対し、納付済期間が480か月に足りない分だけ減額されます。
10月15日に振り込まれる金額は、2か月分で7026円となる計算です。
計算)5620円×300か月÷480か月=3512.5円
50銭以上1円未満の端数は1円に切り上げるため、月額は3513円
3513円×2か月=7026円
2.3 納付済期間40年と25年では4214円の差が生じる
国民年金保険料を40年間納付した場合と25年間納付した場合を比較すると、次のようになります。
15年分の納付の有無が、年額では2万5284円の差になります2/2
出所:シミュレーション結果をもとに筆者作成
【保険料納付済期間:40年】
- 月額:5620円
- 10月の振込額:1万1240円
- 年額:6万7440円
【保険料納付済期間:25年】
- 月額:3513円
- 10月の振込額:7026円
- 年額:4万2156円
【差額】
- 月額:2107円
- 10月の振込:4214円
- 年額:2万5284円
今回のケースでは、1か月あたり2107円の差が出るため、年金支給日には2か月分の4214円の差が生じます。
年金支給日は1年間に6回あるため、単純計算すると年間の差は2万5284円となります。
ただし、これはあくまで納付済期間だけで計算した比較です。実際の支給額は、保険料免除期間の有無や補足的老齢年金生活者支援給付金に該当するかどうかなどによって変わります。
2.4 【執筆者からのアドバイス】使える公的制度がほかにないかも確認する
シミュレーションしたように、国民年金保険料の未納月がある場合など、年金生活者支援給付金を満額受け取れないケースもあります。
生活費が不足し困ったときは、年金生活者支援給付金だけでなく、住民税非課税世帯向けの支援、医療・介護保険料の軽減など、所得に応じて利用できる制度がないか確認することも重要です。
老後の家計では、収入を増やすだけでなく、利用できる公的制度を活用して支出を抑えることも大きな効果があります。
3. おわりに
年金生活者支援給付金には基準額が定められているものの、国民年金保険料の納付済月数などの影響により、満額が支給されないケースもあります。納付済期間が短いほど基準額から減額される分が多くなるため、生活費の補填効果が薄くなる可能性があります。
年金生活者支援給付金の上乗せ支給以外にも、老後資金を支援する公的制度があるため、自身の状況に応じて利用できるものを探すことも重要です。
参考資料
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」
- 日本年金機構「いつ、どうやって認定請求の手続きをすればよいのですか。」
木内 菜穂子