物価上昇が続く中、日々の家計や貯蓄計画を見直したいと考えている人も多いのではないでしょうか。
特に老後資金については、「年金だけで暮らしていけるの?」という疑問を持つ人も少なくありません。
今回は、厚生年金の平均受給額である「月15万円」を受給している人の割合のほか、年金生活を送るシニア世帯の平均的な生活費などを詳しく解説します。
1. 「生活が苦しい」シニア世帯は52.1%
厚生労働省の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢世帯の半数以上が「生活が苦しい」と感じている実態が浮かび上がっています。
【高齢世帯の生活意識】
- 大変苦しい:21.0%
- やや苦しい:31.1%
- 普通:41.7%
- ややゆとりがある:5.4%
- 大変ゆとりがある:0.8%
「大変苦しい」「やや苦しい」と回答した世帯を合わせると52.1%であり、全体の半数以上となります。
一方で、「普通」と回答した世帯は41.7%ともっとも多く、堅実に暮らしている層が厚いことも読み取れるでしょう。
高齢世帯の生活では、「年金」が家計のゆとりを左右する大きな一因となり得ます。
ここからは、日本の公的年金制度についておさらいしていきます。
2. 【厚生年金+国民年金】受け取れるのはどんな人?
主に65歳以上が受給する老齢年金には、「国民年金」と「厚生年金」の2種類があります。
【1階部分:国民年金】
- 日本国内に住む20〜60歳未満のすべての人が加入
- 保険料は定額(2026年度は月額1万7920円)
- 将来の受給額は保険料納付済期間により決定(2026年度は満額で月額7万608円)
- 平均受給額は月額5万9310円(2024年度)
【2階部分:厚生年金】
- 会社員や公務員が加入
- 保険料は給与・賞与に応じて定率
- 将来の受給額は収入や加入期間に応じて決定
- 平均受給額は月額15万289円(2024年度)
自営業者や専業主婦などは国民年金のみを、会社員や公務員は国民年金に上乗せする形で厚生年金も受け取ることになります。
また、将来の年金額を増やしたい場合、私的年金を活用して「3階部分」を作ることも可能です。
では、厚生年金の平均受給額である「月額約15万円」を受給している人はどの程度いるのでしょうか。
次章では、厚生年金受給者の受給額別の人数分布をチェックします。
3. 【厚生年金+国民年金】月15万円以上受給している人は約半数
厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金の受給額別の人数分布と、月15万円以上受給している人の割合を見ていきます。
- 1万円未満:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上:1万9283人
- 月15万円以上:49.8%
上記のデータをもとに計算すると、「厚生年金+国民年金」の受給額が月15万円以上の人は、厚生年金受給者の約半数という結果でした。
ここで疑問に思うのが、「そもそも老後は月15万円で生活できるの?」という点です。
ここからは、年金生活を送るシニアのリアルな「生活費」を確認します。