厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、役職別の集計に年齢階級ごとの内訳が示されており、課長級と部長級の給料の伸び方の違いを客観的に辿ることができます。
近年では、「管理職になりたくない」と考える一般社員が増加するなど、昇進に対する意識の変化もしばしば話題となりますが、実際に管理職へ昇進した際、給料や年収はどれほど上がるのでしょうか。
この記事では、厚生労働省の公的統計から見える役職別・年齢別の賃金カーブに加え、株式会社フロッグによる「2026年8月度 営業職・レイヤー別管理職の給与調査レポート(求人ビッグデータ分析)」の最新市場動向を交えながら、課長級の年収実態や昇進の「リアルな納得感」について多角的に解説します。
1. 課長級の所定内給与額は年齢階級でどう動くか
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査には、役職別の集計に年齢階級ごとの内訳があります。
課長級と部長級を同じ表で並べられるため、役職が上がると給与の伸び方がどう変わるかを確かめられます。
ここでは30〜34歳から60〜64歳までを取り出しています。調査には29歳以下と65歳以上の区分もあります。
1.1 40歳代前半の53万9900円でほぼ横ばいに入る
産業計・男女計・学歴計・企業規模計で見た課長級の所定内給与額は、30〜34歳が月45万5400円、35〜39歳が月51万3000円でした。
40〜44歳で月53万9900円に達したあとは、45〜49歳が月53万4000円、50〜54歳が月53万9900円、55〜59歳が月54万500円と横ばいに近い動きになります。
40歳代前半から50歳代後半までの15年ほどで、額の動きは月1000円ほどにとどまっています。
1.2 部長級は50歳代後半まで増え続ける
同じ集計で部長級を見ると、40〜44歳が月61万2300円、45〜49歳が月65万9900円、55〜59歳が月66万4800円でした。
課長級が横ばいに入る年齢帯でも、部長級は増え続けています。60〜64歳では月60万1800円まで下がりますが、課長級の月45万5800円よりは高い水準です。
2. 課長級と部長級の差はどの年齢階級で開くか
同じ調査の同じ6月分の額なので、部長級から課長級を引いた差をそのまま並べられます。
差の大きさは年齢階級によってかなり違っています。
2.1 30歳代は5万円から8万円の幅にとどまる
差は30〜34歳が月7万8900円、35〜39歳が月4万9500円、40〜44歳が月7万2400円でした。
この年齢帯では、部長級の人数がまだ少ないことも影響しています。部長級の労働者数は30〜34歳で1万520人、35〜39歳で2万8990人にとどまります。
2.2 45〜49歳で12万5900円まで広がる
45〜49歳になると差は月12万5900円になり、40〜44歳の月7万2400円から5万3500円広がります。
課長級が横ばいに入る一方で部長級が伸び続けるため、この年齢帯で差が付く形です。差が最も大きいのは60〜64歳の月14万6000円で、55〜59歳でも月12万4300円あります。
3. 【令和8年9月3日答申】地域別最低賃金はこの5年でいくら上がったか
役職別の給与とは別に、賃金の下限を定める地域別最低賃金も毎年改定されています。
厚生労働省は令和8年9月3日、全47都道府県で令和8年度の改定額の答申が出そろったことを公表しました。
3.1 令和8年度の全国加重平均は1177円
答申された改定額の全国加重平均は1177円で、改定前の1121円から56円の引上げになります。
都道府県ごとの引上げ額は54円から65円の幅でした。改定額は令和8年10月1日から令和8年12月2日までの間に順次発効する予定です。
3.2 5年度分の引上げ額の合計は247円
全国加重平均額は令和4年度が961円、令和5年度が1004円、令和6年度が1055円、令和7年度が1121円でした。
対前年度引上げ額は順に31円・43円・51円・66円で、令和8年度の56円を加えた5年度分の合計は247円になります。令和3年度の930円から令和8年度の1177円までの上昇分にあたります。
なお令和5年度の43円には、全国加重平均の算定に用いる労働者数の更新による影響分1円が含まれています。