4. 基本手当を受けていない月がある場合は、その月分の年金があとから支払われる
支給停止は求職の申し込みをした月の翌月から始まりますが、その期間のすべてで基本手当を受け取るとは限りません。日本年金機構は、この場合の取り扱いを案内しています。
4.1 受けていない月の年金は3か月程度あとの支給になる
日本年金機構は「基本手当を受けていない月がある場合、その月分についての年金はすぐに支給されず、3カ月程度後の支給となります」と説明しています。
支給停止の期間に入っていても、基本手当を受けていない月の分がそのまま受け取れなくなるわけではありません。支給までに時間がかかる、という形です。
4.2 早く再就職した場合も同じ扱いになる
所定給付日数を残して再就職した場合、基本手当を受けていない月が生じます。その月分の年金も、同じように後から支払われます。
通帳の入金が止まったままに見える時期があるため、家計の資金繰りにはこの時間差を織り込んでおくと安心です。
5. 求職の申し込みをする前に確認しておきたい3つのこと
失業給付と年金のどちらを優先するかは、金額と期間で変わります。求職の申し込みの前に確かめておきたい点を整理していきましょう。
5.1 受け取っている老齢年金の月額
60歳から64歳の平均年金月額は8万2267円ですが、実際の金額は現役時代の給与や加入期間で変わります。年金額改定通知書や年金振込通知書で、ご自身の月額を確かめておきましょう。
その金額に支給停止が続く月数を掛けると、止まる年金の合計が見えてきます。
5.2 失業給付の日額と所定給付日数
失業給付の日額と受けられる日数は、離職時の賃金や被保険者であった期間などで決まります。ハローワークで確かめられます。
年金の月額と失業給付の見込額を並べると、どちらが手元に多く残るかを比べられます。
5.3 支給停止の対象は65歳になるまでの老齢年金だという点
調整の対象になるのは、特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金です。65歳から受け取る老齢厚生年金は、この調整の対象として案内されていません。
65歳が近い方は、求職の申し込みの時期によって取り扱いが変わります。年金事務所とハローワークの両方で確かめておきましょう。
6. まとめにかえて
65歳になるまでの老齢年金は、ハローワークで求職の申し込みをすると、その月の翌月から全額が支給停止になります。終わるのは失業給付の受給期間が経過した月、または所定給付日数を受け終わった月です。
令和6年度末現在、60歳から64歳の厚生年金の平均年金月額は8万2267円でした。この金額で計算すると、支給停止が6か月続けば49万3602円が止まる計算になります。
基本手当を受けていない月がある場合は、その月分の年金が3か月程度あとに支払われます。止まった分がすべて消えるわけではありません。
どちらを優先するかは、年金額と失業給付の見込額を並べてから決められます。迷ったときは、年金事務所とハローワークで確かめてみましょう。
参考資料
村岸 理美