4. 厚生年金・国民年金(男女別・全年齢)

老後に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況により人それぞれです。ここでは、60歳~90歳以上のすべての受給権者について、厚生年金と国民年金の受給額分布を見ていきます。

厚生年金平均月額5/6

厚生年金平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

国民年金平均月額6/6

国民年金平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

4.1 厚生年金《平均月額の男女差・個人差》

厚生年金の平均年金月額は、全体では15万289円でした。男女別は下記のとおりです。

  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

※国民年金部分を含む

年金月額階級ごとの受給者数

  • ~1万円:4万3399人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上~3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上~4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上~5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上~6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上~7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上~8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上~9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上~10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上~11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上~12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上~13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上~15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上~16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上~17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上~18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上~19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上~20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上~21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上~22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上~23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上~24万円未満:35万4人
  • 24万円以上~25万円未満:23万211人
  • 25万円以上~26万円未満:15万796人
  • 26万円以上~27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上~28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上~29万円未満:3万289人
  • 29万円以上~30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上~:1万9283人

厚生年金の平均年金月額は、全体で見ると15万円台ですが男女差があり、男性16万円台、女性10万円台となっています。

また、月額1万円未満となる人から、25万円を超える高額受給者まで幅広い層に分布しており、個人差が大きいことがわかります。

4.2 国民年金《平均月額の男女差・個人差》

国民年金の平均年金月額は、全体では5万9310円でした。男女別は下記のとおりです。

  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

年金月額階級ごとの受給者数

  • 1万円未満:5万1828人
  • 1万円以上~2万円未満:21万3583人
  • 2万円以上~3万円未満:68万4559人
  • 3万円以上~4万円未満:206万1539人
  • 4万円以上~5万円未満:388万83人
  • 5万円以上~6万円未満:641万228人
  • 6万円以上~7万円未満:1715万5059人
  • 7万円以上~:299万7738人

国民年金の平均年金月額は、男女ともに5万円台、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」です。

多くの人が満額に近い年金額を受け取る一方で、月額1万円未満となる人も一定数存在しています。

5. 年金は額面通りもらえない?手取りが減る「天引き」の正体と対策

平均受給額やご自身の「年金見込額」を見て、これくらいなら何とか生活できそうだと安心するのは、少し早いかもしれません。

見落としがちですが、公的年金も現役時代の給与と同じように、額面から税金と社会保険料が天引きされるしくみです。差し引かれるのは主に「所得税・住民税」「健康保険料(後期高齢者医療保険料)」「介護保険料」です。

では、実際にいくら引かれているのでしょうか。総務省の「家計調査報告(2025年)」から、65歳以上の無職世帯が毎月支払っている税・社会保険料(非消費支出)の平均額を見てみましょう。

5.1 65歳以上の無職世帯では、毎月いくら引かれているか

  • 夫婦世帯:3万2850円(直接税1万2547円、社会保険料2万296円)
  • 単身世帯:1万2990円

65歳以上の夫婦世帯では、毎月の実収入(平均25万4395円)から約3万3000円が天引きされています。

実際に生活費として使える「手取り(可処分所得)」は、平均で22万1544円まで減ってしまうのが現実です。ライフコース別の金額や分布を見るときも、そこから税と社会保険料が引かれた額が手元に届くという前提で考えておきたいところです。

6. まとめにかえて

今回は、加入履歴の類型ごとに示された年金額の例を確認してきました。

女性の場合、厚生年金期間中心では月13万4640円(平均加入期間33.4年、平均収入35万6000円)、国民年金第3号被保険者期間中心では月7万8249円(同6.7年、26万3000円)、第1号被保険者期間中心では月6万1771円(同6.5年、25万1000円)でした。

男性では、厚生年金期間中心が月17万6793円(同39.8年、50万9000円)、第1号中心が月6万3513円(同7.6年、36万4000円)です。

いずれのパターンでも、厚生年金の加入期間が長く収入が高いほど受給額は多くなります。加入していた制度と期間が、そのまま金額に表れる構造です。

そして、その金額がそのまま使えるわけではありません。年金からも所得税・住民税や健康保険料、介護保険料が天引きされます。65歳以上の夫婦世帯では実収入の平均25万4395円から約3万3000円が引かれ、手取りは平均22万1544円でした。

渡邉 珠紀
ご自身がどのケースに近いかは、「ねんきん定期便」の加入記録で確認できます。第1号、第2号、第3号のそれぞれの期間が記載されていますので、その内訳を見てください。第3号の期間が長い方は、これから厚生年金に加入して働くことで金額を動かせます。ご夫婦であれば、お二人分を足して世帯として見ることをおすすめします。片方だけで判断すると、必要な準備の量を見誤ります。世帯での収入と支出を見ていくことで足りないところを補える可能性もありますし、逆にお互い足りない場合はお互いに準備する必要があります。

不足を埋める手段としては、NISAやiDeCoといった税制優遇制度の活用、家計の見直し、就労期間を延ばして厚生年金の加入期間を伸ばすことなどが挙げられます。

まずはご自身の加入記録を確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

渡邉 珠紀