5. 【優遇措置4】高額医療・高額介護合算療養費と臨時の給付金

医療と介護の両方で自己負担が発生している世帯には、さらに負担を軽くする仕組みがあります。

5.1 高額医療・高額介護合算療養費制度

毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間に支払った医療保険の自己負担と介護保険の自己負担の合計額が、一定の年額上限を超えた場合、超えた分が申請により支給されます。

高額医療・高額介護合算療養費制度 70歳以上の年間自己負担上限額5/5

高額医療・高額介護合算療養費制度 70歳以上の年間自己負担上限額

出所:をもとにLIMO編集部作成

70歳以上の場合、一般所得者の年額上限は56万円であるのに対し、住民税非課税世帯にあたる低所得者Ⅱは31万円、低所得者Ⅰは19万円と、より低く設定されています。

5.2 自治体の臨時給付金にも重なりやすい

物価高騰対策として国や自治体が実施する「住民税非課税世帯向けの給付金」は、年金生活者支援給付金の対象世帯と重なることが少なくありません。

お住まいの自治体からこうした案内が届いていないか、あわせて確認しておきたいところです。

和田直子
高額療養費や負担限度額認定、高額医療・高額介護合算療養費は、いずれも「一定額を超えた分が戻ってくる」仕組みであり、先に立て替えて支払う場面があることを忘れないでください。

特に限度額適用認定証は、事前に用意しておけば窓口での支払いそのものを抑えられますので、入院や施設入所の予定が見えてきた時点で早めに準備しておくと安心です。

6. 【優遇措置5】インフラ・固定費・自治体独自の優遇

公共サービスや固定費のなかにも、非課税世帯や高齢世帯向けの減免・助成が用意されています。

6.1 NHK受信料の全額免除

世帯全員が市町村民税非課税であり、かつ世帯に一定の障害がある人がいる場合、手続きによりNHK受信料が全額免除になる制度があります。

視覚・聴覚障害がある世帯主等については、半額免除の対象になる場合もあります。

6.2 自治体独自の高齢者向け支援

都道府県営や市区町村営の住宅では、収入に応じた家賃の減免制度や、単身高齢者向けの優先入居枠が用意されていることがあります。

このほかにも、自治体によっては敬老乗車証やタクシー利用券の交付、配食サービスの利用料補助、緊急通報装置の設置補助など、独自の高齢者福祉サービスを設けている例があります。

これらは自治体ごとに内容や名称が異なるため、お住まいの市区町村の高齢福祉担当窓口で確認するのが確実です。

7. 「知らずに損をしない」ために確認したい3つのポイント

年金生活者支援給付金の対象になる人は、医療・介護・税務のあらゆる面で手厚い仕組みの対象になりやすい立場にあります。

損をしないために、次の3つのポイントを確認しておきましょう。

7.1 ポイント1 多くの制度が「申請主義」であること

保険料の均等割軽減など一部を除き、限度額適用認定証や介護の負担限度額認定、NHK受信料の免除などは、自分で申請書を提出しなければ適用されません。

7.2 ポイント2 毎年の更新が必要な制度もあること

介護の負担限度額認定などは、所得状況を確認するために1年ごとの更新申請が必要です。

自治体から届く更新案内を見落とさないよう注意しておきましょう。

7.3 ポイント3 まずは市区町村の窓口に相談すること

地域の高齢福祉課や地域包括支援センターに相談すれば、自分が利用できる制度や助成を漏れなく確認できます。

8. まとめ

年金生活者支援給付金は、老齢・障害・遺族の3種類があり、老齢分は所得基準に加えて世帯全員が市町村民税非課税であることが要件になります。

給付額は保険料の納付状況によって一人ひとり異なり、免除期間が長いほど給付額は上振れしやすい一方、老齢基礎年金の水準は下がる関係にあります。

そしてこの給付金を受け取れる世帯には、保険料の減免、高額療養費、介護の負担限度額認定、高額医療・高額介護合算療養費、NHK受信料の免除など、あわせて確認しておきたい優遇制度が数多くあります。

いずれも申請しなければ適用されない仕組みが中心のため、みどり色の封筒が届いたことをきっかけに、自分や家族が使える制度がないか、一度まとめて確認しておくとよいでしょう。

参考資料

和田 直子