3. 自分のペースで働くために身につけたいスキルと選択肢

では、30〜50代の求職者が「理想のペースで働ける環境」を手に入れるためには、具体的にどのようなスキルやキャリア選択が必要なのでしょうか。現場を見てきた人事の視点から、大切だと感じるポイントを3つご紹介します。

3.1  1. タスク管理力とコミュニケーション力(自己開示スキル)

自分のペースで働くとは、決して「好き勝手に仕事をする」ということではありません。周囲に迷惑をかけずに調整力を発揮するためには、自身の業務量や進捗を可視化する「タスク管理力」が不可欠です。

そのうえで、体調や家庭の事情で調整が必要になりそうな場面を早めに共有する「自己開示のコミュニケーション力」が求められます。普段から納期を守り、周囲との信頼関係を築いている人ほど、いざという時の調整や相談がスムーズに通るのが組織の現実です。

3.2 2. ポータブルスキル(持ち運び可能な専門性や経験)の整理

「この人になら安心して任せられる」というポータブルスキル(汎用的な業務スキルや業界知識)があると、働き方の交渉力が圧倒的に高まります。

例えば、テキストコミュニケーションが得意であれば「在宅勤務(リモートワーク)」が可能な求人を狙いやすくなりますし、業務の標準化やマニュアル作成が得意であれば「短時間勤務(時短・パート)」でも大きな価値を発揮できます。ご自身のこれまでのキャリアを振り返り、「自分はどんな作業や役割なら短時間で質の高いアウトプットを出せるか」を一度棚卸ししてみましょう。

3.3 3. 「正社員」だけにこだわらない柔軟な働き方の選択肢

「働き方をコントロールしたい」と考えたとき、正社員の雇用形態だけにこだわりすぎないことも選択肢の一つです。

近年では、パート・アルバイト雇用であっても専門スキルを活かして高時給で働くスタイルや、契約社員、派遣社員、業務委託(フリーランス)など、時間の融通が利きやすい雇用形態や選択肢が広がっています。

例えば「子どもが小さいうちや介護が必要な時期はパートや契約社員で時間を優先し、状況が落ち着いたら正社員に戻る」といった柔軟なキャリア選択も決して珍しくありません。企業側も、柔軟な働き方を受け入れることで優秀なミドル・シニア層を獲得したいと考えているケースが増えています。

自分のライフステージや体調に合わせて、今の自分にとって最適な「働き方のバランス」を見極めていきましょう。

参考資料

「株式会社NEXER Groupと就労継続支援B型の事業所『セカンドプレイス』による調査」

 

柳 奈央子