1. 「自分のペースで働きたい」と感じる求職者が増えているリアル
長年、人事や採用の現場で正社員やパートの選考を担当していると、求職者のみなさんから「もっと自分のペースを大切にしながら働きたい」という切実な声をよく耳にします。
特に30〜50代になると、自身の体力面の変化をはじめ、子育てや介護、体調管理といった家庭やプライベートの事情が大きく絡んできます。若手時代のように「いくらでも時間と体力を使って成果を出す」という働き方から、「自分の生活や健康を守りながら、持続可能な形で働きたい」という意識へシフトしていくのはごく自然なことです。
株式会社NEXER Groupと就労継続支援B型の事業所『セカンドプレイス』( https://sancho-inc.com/ )が共同で実施した「理想の働き方と自分のペースに関するアンケート(全国の就労経験がある男女500名対象)」によると、最も理想的な働き方として「自分のペースで働く」と答えた人が57.6%で最多という結果が出ています。また、「プライベートとの両立を重視して働く(22.8%)」と合わせると、実に8割以上の人が「自分の生活や体調に合わせた働き方」を求めていることがわかります。
さらに同調査では、「体調や気分に合わせて働く量・時間を調整できる職場」と「収入は高いが調整できない職場」のどちらを選ぶかという問いに対し、81.4%が「調整できる職場を選ぶ」と回答しています。
面接の場でも、「高収入を目指してバリバリ働きたい」という人以上に、「家庭の事情や体調の変化があっても、無理なく長期的に続けられる環境で貢献したい」と話す30〜50代の方が年々増えている印象です。
2. 「無理がきかない」時期だからこそ必要なキャリアの捉え直し
しかし現実には、61.0%の人が「これまでに自分のペースで働けず苦しいと感じた経験がある」と回答しています。その具体的な場面として「繁忙期に業務量を減らせなかった(42.3%)」「体調が悪くても休めなかった(41.0%)」といった声が多く挙げられていました。
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無理をして体を壊したり、家庭とのバランスが崩れて急な離職に追い込まれたりすることは、働くご本人にとっても、採用・育成をした企業側にとっても悲しい結果になってしまいます。
91.6%の人が「無理せず自分のペースで働ける環境」に価値を感じているように、30〜50代からのキャリア形成において大切なのは「無理をして一瞬だけ出す成果」ではなく、「持続可能なパフォーマンスを長期間発揮すること」です。自分自身が心身ともに健康でいられるペースを知り、それを維持できる環境を選ぶことが、結果として長く社会で活躍し続ける一番の近道になります。
