3. 提出方法は紙と電子申請の2つ

出す場合の手順を確認します。

3.1 紙は返信用封筒に110円の切手を貼る

日本年金機構によると、紙で提出する場合は同封している返信用封筒に切手を貼って投函します。普通郵便の場合は110円です。

返信用封筒には扶養親族等申告書の提出専用の郵便番号が印刷されています。その郵便番号で投函する場合、送付先住所の記入は不要です。

3.2 マイナポータルからの電子申請もできる

マイナポータルを利用した電子申請でも提出できます。マイナポータルとねんきんネットを連携している方は、スマートフォンやパソコンから手続きができます。

電子申請で提出した場合、紙の申告書の提出は不要です。翌年以降はマイナポータルのお知らせで案内が来る形になり、紙の申告書は送付されません。

3.3 前年から変更がなければ丸と氏名だけ

前年分の申告書を提出した方には、あらかじめ前年の申告内容が印刷された申告書が送られます。

内容を確認して前年の申告内容に変更がない場合は、申告書の「ア.前年から『変更なし』で申告します。」に丸をして氏名を記入するだけでよく、他の項目の記入は不要です。押印も必要ありません。

4. 送られてこない方もいる

届かない場合の意味も押さえておきます。

4.1 一定金額に満たない方には送っていない

日本年金機構は、一定金額に満たない方には扶養親族等申告書を送っておらず、送られていない方は申告書を提出する必要はないとしています。

届かないこと自体が、提出しなくてよいという意味になります。

4.2 電子申請で提出した方には紙を送らない

前年以前に電子申請で提出した方や、ねんきんネットで申告書のペーパーレス化登録をした方には、紙の申告書は送られません。

この場合はマイナポータルのお知らせなどで案内が来ますので、電子申請で提出することになります。紙が届かないからといって手続きが不要になるわけではない点に注意してください。

4.3 住民税の非課税限度額は市区町村ごとに違う

日本年金機構は、住民税の課税対象となる可能性がある方、つまり単身者の住民税非課税限度額の最低額以上の方に案内を送っているとしています。

住民税の非課税限度額は住んでいる市区町村ごとに異なります。詳しくは市区町村に問い合わせることになります。

5. 確かめておきたい3つのこと

届いた封筒を開ける前にできることを挙げます。

5.1 自分の年金額が基準に届いているか

65歳以上なら148万円以上、65歳未満なら98万円以上が令和9年分の送付対象です。年金額の通知書で自分の年間の金額を確認してください。

令和8年分は65歳以上で205万円以上でしたので、去年は届かなかった方にも今年は届く可能性があります。

5.2 控除の対象になる家族がいるか

提出が必要になるのは各種控除に該当する方です。控除対象となる配偶者や親族がいるか、本人が障害者・寡婦等に該当するかを確認しましょう。

該当しなければ提出は不要で、源泉徴収される額も変わりません。

5.3 期限は申告書に書かれている

提出期限は申告書に記載されています。日本年金機構は、期限に間に合わない場合でもなるべく早く提出するよう求めています。

記入方法が分からないときは、扶養親族等申告書お問い合わせダイヤルか近くの年金事務所で相談できます。

6. 年金から引かれる所得税は申告書で変わる

今回は、9月7日から順次届き始めている令和9年分の「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」について解説しました。送付対象は65歳以上で年金148万円以上、65歳未満で98万円以上、退職共済年金の受給者で老齢基礎年金が支給されている方は退職共済年金の年金額が70万円以上です。

提出した場合は基礎控除と配偶者控除等の各種控除が差し引かれますが、提出しない場合は基礎控除のみになります。確定申告を行わないと障害者控除や配偶者控除等を受けることができません。

ただし各種控除に該当しない方は提出の必要がなく、提出しなくても源泉徴収される額は変わりません。まず控除の対象になる家族がいるかを確かめてみましょう。ご自身の手取りを減らさないためにも、ぜひ早めの確認をおすすめします。

参考資料

村岸 理美