「大学生になった上の子は、もう児童手当をもらっていないのだから、下の子の『第3子』カウントには関係ないはず」——そう思っていると、実際には多子加算の判定に影響が出ることがあります。児童手当の多子加算では、大学生年代の子も、条件を満たせばカウントに含まれる仕組みになっているからです。
この記事では、児童手当の支給額一覧を整理した別記事より一部を引用・参照しつつ、多子加算の判定における子の年齢上限の扱いを、こども家庭庁・自治体の公式情報にもとづき編集部が整理します。
1. 多子加算の判定対象は「22歳年度末まで」の子
こども家庭庁の資料によると、児童手当における多子加算(第3子以降の加算)のカウント対象は、0歳から18歳に達する日以後の3月31日までの「支給対象児童」に加えて、その後22歳に達する日以後の最初の3月31日までの子も含まれます。つまり、児童手当そのものは受け取れない大学生年代の子であっても、多子加算の人数カウントには入り得るということです。
「児童手当をもらっていない子は、もう制度上『いないもの』として扱われるはず」と考えていると、実際には大学生年代の子を含めて数えた結果、下の子が第3子・第4子として上乗せの対象になるケースを見落としがちです。
2. 【編集者の視点】
実務上、大学生年代の子を含めてカウントするかどうかは、家庭ごとの経済的な負担状況によって変わります。上の子が独立して自分の生計を立てている場合は対象になりませんが、学費や生活費を親が負担している場合は対象になり得るため、自分の家庭がどちらに当たるか整理しておくとよいでしょう。
※本記事は、編集部がこども家庭庁・自治体が公表する公式の最新情報を直接確認の上、執筆・検証しています。
3. カウントには「監護」と「生計費の負担」の両方が必要
自治体の案内によると、大学生年代の子を多子加算のカウント対象にするには、①監護に相当する日常生活上の世話および必要な保護をしていること、②生計費の負担をしていること、の両方を満たしている必要があります。進学・就職などの状況そのものは問われませんが、経済的な負担の実態が問われる仕組みです。
「大学に通っているかどうかで判定されるのだろう」と考えていると、実際には就学状況ではなく、監護と生計費負担の実態で判定される点に戸惑うことがあります。仕送りの有無なども含めて、実際に負担している内容を整理しておく必要があります。
3.1 【多子加算のカウント対象になる子の範囲】
前提:こども家庭庁・自治体公表の資料に基づく編集部整理1/2
出所:LIMO編集部作成
- 0歳〜18歳に達する日以後の3月31日まで:支給対象児童として自動的にカウント
- 18歳年度末〜22歳に達する日以後の3月31日まで:監護・生計費負担の要件を満たせばカウント対象(申請が必要)
4. 【編集者の視点】
実務上、単身赴任や下宿などで離れて暮らしている場合でも、生計費を負担していれば対象になり得ます。同居しているかどうかではなく、実際に経済的な支援を行っているかどうかがポイントになる点を押さえておきましょう。
5. 自動では反映されない。専用の書類提出が必要
もう一つ見落とされがちなのが、大学生年代の子をカウントに含める手続きは、自動では行われないという点です。自治体の案内によると、対象にするには「児童手当額改定認定請求書」や「監護相当・生計費の負担についての確認書」といった書類を、子育て支援担当の窓口に提出する必要があります。
「該当する家庭なら、自治体側で自動的に加算してくれるはず」と思い込んでいると、実際には書類を提出しない限り、下の子の加算額に反映されないまま気づかず過ごしてしまうことがあります。心当たりがある家庭は、早めに窓口へ相談する価値があります。
5.1 【大学生年代の子をカウントに含める手続き】
一覧表2/2
出所:LIMO編集部作成
- 提出書類:児童手当額改定認定請求書、監護相当・生計費の負担についての確認書 等
- 提出先:市区町村の子育て支援担当窓口
- 反映のタイミング:原則として提出した月の翌月分から。さかのぼっての適用は不可
6. 【編集者の視点】
実務上、提出が遅れた場合、原則として提出した月の翌月分からの適用となり、さかのぼって加算を受けられないケースが一般的です。上の子が大学生年代に差し掛かるタイミングで、忘れずに窓口へ確認しておくことをおすすめします。
児童手当の第一子・第二子・第三子以降の金額差そのものについては、支給額一覧を整理した別記事もあわせて確認してみてください。
7. まとめ
- 多子加算のカウント対象は、0歳から22歳に達する日以後の3月31日までの子が対象になり得ます。
- 18歳年度末を超えた子は、監護と生計費負担の要件を満たせばカウントに含まれます。
- 大学生年代の子をカウントに含めるには、専用の書類提出による申請が必要です。
「大学生の子はもう児童手当と関係ない」という思い込みは、多子加算のカウントについては当てはまりません。上の子が大学生年代になったタイミングでこそ、下の子の加算額に影響がないか確認しておく価値があります。
該当する可能性がある家庭は、自動的に反映されるのを待つのではなく、早めに市区町村の窓口で必要な書類を確認し、手続きを済ませておくことをおすすめします。
8. よくある質問
8.1 Q. 大学生の子は、児童手当の多子加算のカウントに関係ありませんか。
A. 関係する場合があります。22歳に達する日以後の3月31日までの子は、条件を満たせばカウント対象になります。
8.2 Q. 大学生年代の子をカウントに含める条件は何ですか。
A. 監護に相当する日常生活上の世話をしていることと、生計費の負担をしていることの両方が必要です。
8.3 Q. 大学生年代の子のカウントは自動的に反映されますか。
A. されません。「児童手当額改定認定請求書」等の専用書類を、子育て支援担当の窓口に提出する必要があります。
8.4 Q. 申請が遅れた場合、さかのぼって加算を受けられますか。
A. 原則としてさかのぼれません。提出した月の翌月分からの適用となるのが一般的です。
参考資料
齊藤 慧
