障害のある方への手当というと、特別障害者手当や障害児福祉手当といった国の制度がよく知られています。
一方、東京都内には「心身障害者福祉手当」という自治体独自の手当があり、たとえば墨田区では身体障害者手帳1級・2級の方などに月額1万5500円を支給しています。
本記事では、心身障害者福祉手当のしくみと対象になる人、東京都内の区市の月額の実例を解説していきます。
1. そもそも「心身障害者福祉手当」とは?東京都内の区市が条例で実施する手当
心身障害者福祉手当は、障害のある方の福祉の増進を図ることを目的に、住民登録のある自治体が支給する手当です。まず、国の手当との違いを整理しておきましょう。
心身障害者福祉手当と国の手当の違いを整理した図1/2
出所:LIMO編集部作成
1.1 国の法律ではなく、都と区市の条例に基づいて支給される
特別障害者手当や障害児福祉手当が法律に基づく全国共通の制度であるのに対し、心身障害者福祉手当は条例に基づく制度です。
東京都には「東京都心身障害者福祉手当に関する条例」があり、市町村部では市町村が条例を定めて支給し、その経費を都が負担するしくみになっています。23区では、各区が独自の条例を定めて実施しています。
1.2 名称・金額・要件は自治体によって異なる
条例に基づく制度のため、同じ「心身障害者福祉手当」という名称でも、対象になる障害の範囲や月額は自治体ごとに違いがあります。
お住まいの自治体に制度があるかどうか、どのような内容かは、区市町村の障害福祉担当窓口や公式サイトで確認できます。
2. 対象になるのはどんな人?墨田区の例で要件と月額を確認する
実例として、墨田区「区の手当制度」より、心身障害者福祉手当の対象者と月額を確認しましょう。
- 身体障害者手帳1級・2級の方:月額1万5500円
- 身体障害者手帳3級の方:月額7750円
- 愛の手帳1度から3度の方:月額1万5500円
- 愛の手帳4度の方:月額7750円
- 脳性まひまたは進行性筋萎縮症の方:月額1万5500円
※本人の所得(20歳未満の方は扶養義務者の所得)が所得制限の限度額を超える場合や、障害者支援施設などに入所している場合は対象になりません。
2.1 手帳の等級によって月額が変わる
墨田区では、障害の程度が重い区分で月額1万5500円、それ以外の区分で月額7750円という2段階になっています。月額1万5500円の場合、年額では18万6000円です。
支給は毎年4月・8月・12月の15日に、前月までの4か月分がまとめて本人名義の口座へ振り込まれます。
2.2 65歳以上になってからの新規申請は原則できない
墨田区では、申請時の年齢が65歳以上の方は原則として対象になりません。
※都内のほかの自治体から転入した方で、前住地で同様の手当を受けていた場合など、例外的に対象になるケースもあります。
※65歳の線引きを「申請時の年齢」で見るか「障害者となった年齢」で見るかは、自治体によって異なります。
3. ほかの自治体では月額いくらか。6区市の実例を比べる
次に、心身障害者福祉手当を実施している東京都内の自治体から、墨田区・葛飾区・目黒区・八王子市・青梅市・羽村市の6区市の月額を比べてみましょう。
各区市の月額を書き出すと次のとおりです。
- 墨田区・葛飾区・目黒区・八王子市:身体障害者手帳1級・2級や愛の手帳1度から3度の方などに月額1万5500円
- 墨田区・葛飾区:3級・4度の方などに月額7750円
- 目黒区:3級・4度の方に月額1万円、国や都の指定する難病の方に月額1万3000円
- 青梅市・羽村市:都制度として月額1万5500円のほか、市独自の区分(3級・4度など)に青梅市は月額8000円、羽村市は月額1万2000円
このように、障害の程度が重い区分の月額1万5500円は共通している一方、3級・4度などまで対象を広げるかどうか、広げた場合の金額は自治体ごとに差があります。国分寺市のように、月額1万5500円の区分のみを設けている自治体もあります。
※いずれの自治体にも所得制限などの支給要件があります。金額は2026年9月1日時点の各自治体公式サイトの掲載内容にもとづくもので、最新の情報はお住まいの自治体でご確認ください。
手当や助成というと国の制度に目が向きがちですが、ご相談のなかでは、こうした自治体独自の手当を知らないまま過ごしていたというケースが少なくありません。
心身障害者福祉手当は申請が起点になる制度です。障害者手帳をお持ちの方やご家族は、お住まいの自治体の障害福祉担当窓口で、対象になる手当がないか一度確認してみてください。
