2. 貯蓄額の中央値で「自分の現在地」を知る

お金の計画は、正しい現在地から始まります。中央値は「真ん中の人の額」なので、自分がそれより上か下かを見るだけで、立ち位置がつかめます。平均と比べて落ち込む必要はありません。

2.1 まず中央値と見比べる

自分の貯蓄額を、同世代の中央値(40歳代100万円・50歳代120万円)と並べてみましょう。比べる相手は、他人の平均ではなく「同世代の真ん中」。この一点を変えるだけで、数字との付き合い方が変わります。

その上で自身の現在地をみて、具体的な対策を考えることが大切です。

2.2 次の一段を、階段で決める

貯蓄の目標はいきなり大きくしません。いまが100万円未満なら、まず100万円、次に300万円と、階段状に区切ります。区切りがあると、達成感が積み上がり、続けやすくなるでしょう。

目標金額に対して、いつまでに、毎月いくら、何で貯めるかを考えることも大切です。何歳までに貯めるかを決まれば、どの金融商品で利回りが何%だと毎月いくら貯める必要があるかが計算できるでしょう。

ただし、投資にはリスクがありますから、損をすることもあれば、予定した利回より上がる・下がる可能性も考えられます。そのようなメリット・デメリットも洗い出し、何で、どの期間、どれくらい貯めるかを考えてみましょう。

あわせて、生活費の半年分を「動かさないお金」として確保しておくと、急な出費でも計画が崩れにくくなります。

3. 元証券会社員からのアドバイス

中央値を起点にした現在地の確かめ方を、3つの行動にまとめます。

一つ目は、自分の貯蓄を同世代の中央値と見比べること。平均ではなく真ん中と比べるのが、正しい現在地把握のコツです。

二つ目は、次の目標を階段で決めること。100万円、300万円、500万円…と区切ると、達成感が続きます。あわせていつまでに、を決めることも大切でしょう。、

三つ目は、生活費の半年分を先に確保すること。守りのお金があると、急な出費でも計画が崩れません。

宮野 茉莉子

見るべきは、同世代の中央値です。真ん中と比べれば、自分の位置は驚くほど冷静につかめます。

位置がわかれば、あとは階段を一段ずつ。100万円の次は300万円、と小さく区切るほど、貯蓄は続きます。

厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、「生活が苦しい」と感じる世帯が全体で55.4%という現代。他人ではなく自分の現在地を出発点にしてみてください。

 

現在地さえわかれば、進む方向は自分で選べます。平均という一部の大きな数字と比べて、必要以上に焦る必要はありません。

はじめからいきなり高い目標を見ることなく、100万円の次は300万円と、小さな階段を一段ずつのぼっていけば、着実に前へ進めます。

比べる相手を変えるだけで、気持ちはずっと軽くなります。あなたのペースで、一段ずつのぼっていきましょう。

4. まとめにかえて

40〜50歳代・単身世帯は、平均に比べて中央値が低い年代です。だからこそ、平均ではなく中央値を自分のものさしにすることが大切です。

現在地を確かめ、次の一段を階段で決める。この進め方なら、大きな数字にひるまず、着実に前へ進めます。

大切なのは「前に進むこと」です。急に大きな目標は立てず、まずは可能な目標から立てていきましょう。

参考資料

宮野 茉莉子