3. 請求しなければ1円も入らない|9月に届く緑の封筒

年金生活者支援給付金を受け取るには、請求手続きが必要です。支給対象になったからといって、黙っていても年金に上乗せされることはありません。この「申請主義」が、制度の取りこぼしを生む最大の要因になっています。

実際の手続きの流れについては、LIMOの記事「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。

支給対象と判断された方には、日本年金機構から請求に関する書類が送付されます。基本的には、その書類に必要事項を記入して返送するだけで手続きは完了します。これから老齢年金の受給を開始する方には、受給が始まる3カ月前に届く「年金請求書(事前送付用)」に「年金生活者支援給付金請求書」が同封され(緑色の封筒)、すでに年金を受給中の方にはハガキ形式の請求書が届きます(薄緑色の封筒)。

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

3.1 すでに年金を受け取っている人には、はがき型の請求書が届く

すでに年金を受給している人が、所得の低下などによって新たに対象となった場合は、毎年9月の第1営業日から順次、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。必要事項を記入して郵便ポストに投函すれば手続きは終わりです。

この請求書が届いた場合は、郵送のほかに電子申請という選択肢もあります。スマートフォンやパソコンとマイナンバーカードがあれば、その場で提出まで完結し、郵送は不要になります。

※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。

3.2 これから65歳を迎える人は、年金請求書と一緒に出す

これから老齢年金の受給が始まる人には、誕生日の3カ月前に届く老齢基礎年金の請求書に、給付金の請求書が同封されています。給付金だけを別に申し込む必要はありません。必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書と一緒に提出すれば完了です。

この時点では、まだ年金も給付金も受け取っていない状態です。書類の量も多く、給付金の請求書が同封されていることに気づかないまま出してしまうケースが起こりやすいところなので、封筒の中身は一度すべて広げて確認しておきたいところです。

4. 2年目からは手続き不要、ただし毎年判定はされている

一度請求書を提出すれば、支給要件を満たしている限り、翌年以降の手続きは原則として不要です。毎年書類を出し直す必要はありません。

とはいえ、判定そのものは毎年おこなわれています。日本年金機構が市区町村から前年の所得情報の提供を受け、引き続き要件を満たしているかを確認する仕組みです。この結果は、毎年10月分から翌年9月分までに反映されます。要件から外れた場合には「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。

4.1 6月に届く通知書で、その年度の金額を確認する

その年度にいくら受け取れるのかは、毎年6月上旬に送付される「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」と「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認できます。2026年度分は、令和8年6月3日に発送されました。

なお、年金と給付金を同時に受け取っている人には、年金の「改定通知書」「振込通知書」とまとめた大判はがきで届きます。給付金だけの通知書が来ないからといって、支給されていないわけではありません。

中本 智恵

この制度で取りこぼしが起きやすいのは、2つの場面です。ひとつは、新たに対象になった年の9月。もうひとつは、65歳の年金請求のときです。どちらも「届いた書類を出すだけ」で終わる手続きなのに、封筒を開かないまま置いてしまうと、その分だけ受け取れる期間が短くなります。

もうひとつ知っておきたいのが、判定に使われるのが前年の所得だという点です。今年に入って収入が下がった方の場合、その事情が反映されるのは翌年度の判定から。逆に、去年たまたま所得が増えた年があれば、今年は対象外になっている可能性もあります。1年のずれがあることを頭に入れておくと、通知書が届いたときに慌てずに済みます。

金額としては月5620円が上限、老齢の平均は4146円です。大きな額ではありませんが、要件を満たす限り継続して受け取れるお金であることが、この制度の本来の価値だといえます。

5. まとめにかえて

2026年度の年金生活者支援給付金は、前年度から3.2%引き上げられ、基準額は月5620円(障害1級のみ7025円)となりました。年額に直すと約6万7000円です。

ただし老齢の給付金は保険料納付済期間に応じて按分されるため、2025年3月時点の平均給付月額は4146円にとどまっています。基準額と実際の受取額には差が出るということです。

要件は3種類で異なり、老齢は「65歳以上」「同一世帯の全員が市町村民税非課税」「前年の公的年金等の収入とその他の所得の合計が82万6500円以下」の3つをすべて満たす必要があります。障害・遺族は基礎年金を受けていて、前年の所得が491万8000円以下であることが条件です(いずれも令和8年10月時点)。

そして共通しているのが、請求しなければ受け取れないという点です。9月に緑の封筒が届いたら、開封して中身を確かめておきましょう。

参考資料

中本 智恵