9. 50歳代に多い「外貨で運用する仕組みのものをすすめられたが、何を確かめてから決めればよいのか分からない」というご相談。ファイナンシャルアドバイザー・菅原 美優が伝えたいこと

お金の相談の場では、窓口や知人から外貨で運用する仕組みのものを紹介され、どう受け止めればよいか決めかねている、という声をよくいただきます。運用そのものの経験はある方でも、円ではなく外貨で動く仕組みが加わると、確かめる順番が分からなくなりやすいようです。

9.1 50歳代に多いお悩み相談は「外貨で運用する仕組みのものをすすめられたが、何を確かめてから決めればよいのか分からない」

50歳代(ご相談者)
外貨で運用する仕組みのものをすすめられ、契約するかどうか検討しています。運用の経験はあるので説明の中身は分かるのですが、円で運用するものとは違う点があるはずで、何を確かめてから決めればよいのかが分かりません。

同じようなご相談は、運用の経験がある方からもよく寄せられます。経験があるぶん、説明されている内容そのものは理解できてしまうため、かえって「では何が確認できていないのか」が見えにくくなる、という整理に行き着くことが少なくありません。

9.2 【ファイナンシャルアドバイザー・菅原 美優が回答】決める前に、受け取り方と費用と途中経過を書面で確かめる

菅原 美優
他社で提案された商品のセカンドオピニオンでご相談にきてくださる方は多いです。その商品の良し悪しは、その方のご状況や目的によっても変わってきます。外貨で運用する商品は、将来お金を受け取るときに為替の影響を受けることは気を付けておきたい点です。円に換える場面や通貨を買えるときにかかる費用、途中でやめたときの取り扱いをあらためて確かめてみましょう。また、外貨運用ができる商品の選択肢は沢山あるため、類似商品と比較して検討することも判断基準となるでしょう。そして、支払った額を下回る可能性がどこで生じるのかを書面で確認しておくことが、ご自身で納得して判断するための材料となります。

9.3 ポイント1:受け取るときの通貨と、円に換える場面を確かめる

最初に確かめておきたいのは、将来お金を受け取るときの通貨です。外貨のまま受け取る形なのか、円に換えて受け取る形なのか、あるいはどちらかを選べるのかは、仕組みによって異なります。そして円に換える形であれば、換えるのはいつの時点なのか、時点を自分で選べるのかどうかも確認の対象になります。円に換えるときの為替の水準によって、受け取る額は増えることも減ることもあります。この点は、円だけで完結する仕組みには無い要素なので、説明を受けた際に聞き流してしまいやすいところです。

9.4 ポイント2:通貨を換えるときの費用と、途中でやめたときの扱いを確かめる

次に確かめたいのが費用の所在です。円と外貨を交換する場面では、そのつど費用がかかる形になっていることが一般的で、預け入れるときと受け取るときの両方で生じることもあります。あわせて、途中でやめた場合にどうなるのかも確認しておきたい点です。いつでもやめられるのか、やめる時期によって受け取れる額が変わるのか、やめる際に別の費用が生じるのか。ご相談の場では、この「途中でやめたとき」の条件を契約の前に確認していなかった、という声を伺うことがあります。想定より早く現金が必要になる場面は起こりうるものとして、あらかじめ見ておく方法があります。

9.5 ポイント3:支払った額を下回る可能性がどこで生じるのかを、書面で確かめる

そのうえで、支払った額を下回る可能性、いわゆる元本割れがどのような場面で生じるのかを確かめます。為替の動きによるもの、通貨を換える際の費用によるもの、途中でやめたことによるもの、といったように、要因は一つとは限りません。口頭の説明だけで判断せず、契約前に渡される書面や注意事項が記された資料に何と書かれているかをご自身の目で読み、分からない語句はその場で質問する形にしておくと、後から認識の違いが生じにくくなります。なお、税制上の取り扱いが気になる場合は、取り扱いは改正されることがあるため、最新の内容は公的機関の情報や契約先の窓口でご確認ください。

すすめられたものが自分に合うかどうかは、一般論で決められるものではなく、確かめた内容とご自身の事情を照らし合わせて初めて見えてくるものです。確かめきれていない項目が残っている段階であれば、その場で答えを出さず、いったん持ち帰るという選択肢もあります。

10. まとめにかえて

外貨で運用する仕組みのものは、円で完結する仕組みに比べて、確かめておきたい項目がいくつか増えます。受け取るときの通貨、円に換える場面と時点、通貨を換えるときの費用、途中でやめたときの扱い、そして支払った額を下回る可能性がどこで生じるのか。これらは、すすめるか否かという話とは別に、契約の前に事実として確認できる事柄です。

価格や為替の動きによって受け取る額が変わり、元本割れとなる可能性がある仕組みでは、確認できていない項目を残したまま判断を進めると、後から想定と違ったと感じる場面が生まれやすくなります。逆に、確かめた内容を並べたうえで判断すれば、選ぶにしても見送るにしても、その理由をご自身の言葉で説明できる状態になります。

ここで挙げた確認の項目は一般的なもので、実際に何をどこまで確かめるべきかは、仕組みの内容やご自身の状況によって変わります。判断に迷う点があれば、契約先の窓口や専門家に個別にご相談ください。

参考資料

菅原 美優