3. 中高齢寡婦加算には夫の被保険者期間の条件が付く場合がある
対象の条件を満たしていても、加算されないことがあります。
3.1 被保険者期間20年以上が必要になるケース
老齢厚生年金の受給権者、または受給資格期間を満たしている夫が死亡したときは、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上の場合に限られます。
中高齢者の期間短縮の特例などによって、20年未満の被保険者期間で共済組合等の加入期間を除いた老齢厚生年金の受給資格期間を満たした方は、その期間で判断されます。
3.2 平成19年3月31日以前の死亡は「35歳」で読み替える
平成19年3月31日以前に夫が亡くなって遺族厚生年金を受けている方は、対象1の「40歳以上65歳未満」と、対象2の「40歳に到達した当時」の40歳を、35歳と読み替えます。
4. 中高齢寡婦加算は65歳で終わり、経過的寡婦加算に切り替わる場合がある
65歳以降どうなるのかを確認します。
4.1 経過的寡婦加算の対象
中高齢寡婦加算は65歳になるまでの加算です。そのあとは経過的寡婦加算が加算される場合があります。
対象は、昭和31年4月1日以前生まれの妻に65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したとき、または中高齢の加算がされていた昭和31年4月1日以前生まれの受給権者である妻が65歳に達したときです。
4.2 額の決め方
経過的寡婦加算の額は、昭和61年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した場合の老齢基礎年金の額と合わせると、中高齢寡婦加算の額と同額程度となるよう決められています。
65歳から自分の老齢基礎年金が始まることを踏まえた設計になっているということです。
4.3 2028年4月からは制度が変わる
中高齢寡婦加算は、2025年に成立した年金制度改正法により、将来的に見直されることが決まっています。
2028年(令和10年)4月1日以降に新たに発生する中高齢寡婦加算は、そこから25年かけて段階的に縮小され、最終的になくなる予定です。すでに受給している人はこの見直しの対象外です。
あわせて、夫の死亡時に子がおらず40歳未満だった妻の遺族厚生年金は、2028年4月以降の死亡分から、5年間の有期給付に切り替わります。その代わり、有期給付の間は支給額が現行のおよそ1.33倍に増える設計です。
現時点(2026年9月)ではまだ現行制度のままですが、今後子どもの有無や年齢によって条件を確かめる際は、この2028年4月の変更も踏まえておく必要があります。
5. 中高齢寡婦加算を確かめるときに見ておきたいこと
一次資料に当たる立場から、確認の順番を挙げておきます。
5.1 生年月日で扱いが分かれる
経過的寡婦加算は昭和31年4月1日以前生まれが対象です。また平成19年3月31日以前の死亡では年齢の読み替えがあります。
加算の話は生年月日と死亡日で扱いが変わりますので、自分がどこに当てはまるかを先に確かめてください。
5.2 加算の対象かどうかは窓口で確認する
夫の被保険者期間の条件もあり、記録を見なければ判断できない部分があります。
遺族厚生年金の請求先は年金事務所または街角の年金相談センターです。加算が付くかどうかもあわせて確認できます。
6. 中高齢寡婦加算は40歳から65歳までの年額63万5500円
中高齢寡婦加算は、一定の条件に該当する妻が受ける遺族厚生年金に、40歳から65歳になるまでの間、年額63万5500円が加算されるものです。
対象は、夫の死亡時に40歳以上65歳未満で子がいない妻と、遺族基礎年金を受けられなくなった子のある妻の2通りです。老齢厚生年金の受給権者等の夫が亡くなった場合は、被保険者期間20年以上という条件も付きます。
65歳で終わりますが、昭和31年4月1日以前生まれであれば経過的寡婦加算に切り替わる場合があります。生年月日で扱いが分かれますので、窓口で確かめておきましょう。
なお、2028年4月からは中高齢寡婦加算そのものが段階的に見直されていく予定です。今後対象になる可能性がある方は、この点もあわせて念頭に置いておくとよいでしょう。