3. 役員の年間報酬額と事務次官の年間給与は前提が違う
この2つを並べるときには、いくつか確認しておくことがあります。
3.1 調査年が違う
役員の年間報酬額は、令和5年民間企業における役員報酬(給与)調査によるものです。人事院が令和5年勧告の参考資料に掲載した数値等の一部を再掲したものとされています。
一方の事務次官の年間給与は、令和8年勧告後の俸給月額等を基礎としたものです。3年の開きがあります。
3.2 算出のしかたも違う
役員の年間報酬額には、令和4年中に支給された賞与が含まれています。実際に支給された額の集計です。
対して事務次官の年間給与はモデル給与です。俸給月額等をもとに計算した金額であり、性格が異なります。
4. 役員の年間報酬額は企業規模で1.58倍の幅がある
民間企業の中での差を見ていきます。
4.1 500人以上と3000人以上で2164万7000円の差
企業規模計(500人以上)の3755万5000円に対し、従業員3000人以上は5920万2000円です。その差は2164万7000円になります。
倍率にすると1.58倍です。役員の段階でも、企業規模による開きは小さくありません。
4.2 調査実人員は420人
この数値の対象は420人です。役職員全体を集計した統計と比べると、母数はかなり限られます。
各社1人という集計の性格上、対象となる人の数はもともと少なくなります。
5. 役員の年間報酬額を見るときに気をつけたいこと
数字を読むうえでの注意点を挙げておきます。
5.1 「役員の平均」ではない
集計されているのは、社長を直接補佐し会社の業務全般を統括している役員です。社長本人でも、役員全般の平均でもありません。
報じられる役員報酬の数字とは対象が違うことがあります。何を集計したものかを確かめてから比べてください。
5.2 対象は企業規模500人以上
この調査の対象は企業規模500人以上です。それより小さい企業の役員報酬は、この数字には含まれていません。
6. 役員の年間報酬額は3755万5000円、事務次官は2609万円
民間企業における役員の年間報酬額は、企業規模500人以上の計で3755万5000円、従業員1000人以上で4369万1000円、3000人以上で5920万2000円です。
参考として示されている事務次官の年間給与は、指定職8号俸で2609万円です。企業規模500人以上の役員とは1146万5000円の差になります。
ただし役員の数字は令和5年調査で賞与を含む実額、事務次官は令和8年勧告後のモデル給与です。前提が違うため、単純な比較はできません。