キャリアの中でも「役職」について、マネジメントを選ぶか、スペシャリストを選ぶか迷う方は少なくないでしょう。昨今では一部で管理職は罰ゲームともいわれ、二の足を踏む人も少なくありません。

役職が上がれば、賃金の水準は上がります。たとえば厚生労働省の統計では、課長級の平均賃金は月52万9200円でした。

一方で、別の調査では、3年前と比べて負担が増えたと答えた管理職が半数にのぼっています。今回は給与水準と負担に視点を当てて見ていきましょう。

ココがポイント
  • 役職別の平均賃金は部長級63万5800円、課長級52万9200円、係長級39万9200円。非役職者は31万500円(2025年6月分の所定内給与額)
  • 3年前と比べた業務負担は「負担増」が51.0%。負担が大きく増えた9.8%と負担が増えた41.2%の合計
  • 負担増の割合が高い業務は、コンプライアンス意識・行動の徹底54.4%、ハラスメントへの対処47.1%、部下のモチベーション維持・向上44.9%

1. 中間管理職とはどの層か?「平均賃金一覧表」課長級の平均賃金は月52万9200円

まず、中間管理職と呼ばれる層の輪郭から確認します。厚生労働省の統計では、役職を「部長級」「課長級」「係長級」等の階級に区分し、役職者以外を「非役職者」としています。

その役職ごとの賃金が、賃金構造基本統計調査で公表されています。ここで使うのは令和7年(2025年)調査の結果です。

役職別の平均賃金(月額)。課長級は52万9200円1/2

役職別の平均賃金(月額)。課長級は52万9200円

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」同「概況(第8表 役職、性別賃金)」をもとにLIMO編集部作成

1.1 部長・課長・係長の平均賃金一覧表(月額の所定内給与)

所定内給与とは、6月分のきまって支給する給与から残業代などを除いた、税引き前の金額です。男女計・男女別の平均は次のとおりです。

  • 部長:男女計 63万5800円(男性 64万2400円/女性 57万8300円)
  • 課長:男女計 52万9200円(男性 54万1400円/女性 47万300円)
  • 係長:男女計 39万9200円(男性 41万900円/女性 36万5700円)
  • 非役職者:男女計 31万500円(男性 33万2100円/女性 28万100円)、

一般労働者のうち雇用期間の定めのない者について、男女計では部長級が63万5800円、課長級が52万9200円、係長級が39万9200円となっています。非役職者は31万500円でした。

※ここでいう賃金は、2025年6月分の所定内給与額の平均であり、時間外勤務手当などの超過労働給与額を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額で、賞与は含まれていません。

男女別にみると、部長級は男性64万2400円・女性57万8300円、課長級は男性54万1400円・女性47万300円、係長級は男性41万900円・女性36万5700円となっています。

非役職者を100としたときの水準は、部長級204.8、課長級170.4、係長級128.6です。数字だけを追えば、役職が上がるほど賃金も上がる形になっています。

勤続年数も見ておきましょう。係長級は17.5年、非役職者は10.8年でした。同じ会社に長くいる人ほど役職に就いている、という傾向は読み取れます。

ここまでが、いくらもらっているかという話です。次は、その役割の中身をみていきます。

宮野 茉莉子
平均賃金の一覧を見ると、役職ごとの差は思ったより整然と並んでいます。ただ、この数字は所定内給与額なので、時間外勤務手当が入っていません。役職に就く前と後で手取りがどう動いたかは、この一覧からは読み取れないということです。ご自身の実感と表の数字がずれるとしたら、その差はどこから来ているのか。負担の中身をみていくと、少し見えてくるように思います。