3. 政策金利の引き上げで選択を変えた人は49.7%
調査では、金利の動きが実際の行動をどう変えたのかも聞かれています。
3.1 最も多いのは借入額を減らした人
日本銀行が行った2024年3月以降の政策金利の引き上げを受けて、住宅ローンの選択などに変化があったかを尋ねたところ、49.7%が変化があったと回答しました。
内容として最も多かったのは「借入額を減らした」の9.9%です。次いで「返済期間を長くした」が7.3%、「返済期間を短くした」が6.0%、「住宅取得時期を前倒した」が5.9%、「住宅予算を減らした」が5.5%と続きます。
3.2 返済期間は長くする人と短くする人の両方がいる
この内訳は複数回答で、回答の多かった上位5つのみが公表されているため、合計は49.7%と一致しません。
目を引くのは、返済期間を長くした人と短くした人の両方がいることです。毎月の返済額を抑えにいくか、総返済額を抑えにいくかで、同じ金利上昇への対応が逆を向きます。
4. この調査は政策金利1.0%への変更より前の時点
数字を読むうえで、時点をそろえておく必要があります。
4.1 日本銀行は2026年6月に1.0%程度へ変更した
日本銀行は2026年6月16日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促す方針に変更し、7月31日の会合でもこの方針を維持しています。
一方、この利用者調査の調査時期は2026年1月で、対象は2025年4月から9月に借り入れた方です。つまり6月の変更より前の時点の意識と行動を表しています。
4.2 次の調査で数字がどう動くかを見る
変動型が4.0ポイント減り、上昇を見込む人が8.0ポイント増えたのは、この変更より前の段階での動きです。金利のある局面がさらに進んだあとで、割合がどこまで動くかは次の調査を待つことになります。
住宅ローンは長い期間の契約ですので、直近の数字だけで決められるものではありません。借入額と返済期間、手元に残す資金のバランスを世帯単位で見たうえで、金融機関に相談してみてください。
5. まとめにかえて
住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)では、利用した金利タイプは変動型が75.0%、固定期間選択型が14.9%、全期間固定型が10.1%でした。前回調査と比べて変動型が4.0ポイント減り、固定の2タイプが増えています。
利用者全体の73.7%が今後1年間で金利は上昇すると考えており、その割合は前回から8.0ポイント増えました。政策金利の引き上げを受けて選択などに変化があった方は49.7%です。
ただし、この調査は日本銀行が政策金利を1.0%程度に変更した2026年6月より前の時点のものです。時点をそろえて読んだうえで、自分の世帯にとってどの組み合わせが無理のない形かを考えていきましょう。
参考資料
- 住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(住宅ローン利用者調査 2026年1月調査)」
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2026年6月16日)」
- 日本銀行「当面の金融政策運営について(2026年7月31日)」
和田 直子