3. 所得に連動した給付は令和9年6月以降に先行導入する

給付の側についても、開始時期と規模の考え方が示されています。

3.1 消費税1%の範囲内で行う

首相官邸の会見によると、所得に連動したきめ細かな給付は「令和9年6月以降の先行導入」が可能とされ、規模は「飲食料品に係る消費税1%の範囲内で」実施される予定です。

これにより、飲食料品にかかる消費税の実質ゼロ化を実現するという整理になっています。税率を1%残したうえで、その分を給付で返すという組み立てです。

3.2 本格導入は令和11年度から

本格的な給付制度については「令和11年度から確実に実現するよう」と述べられています。先行導入の2年間は、本格導入までの助走にあたります。

給付付き税額控除という名前ではありますが、当面は給付を中心に進む形です。

4. まだ決まっていないこと

記事や報道で目にする数字のうち、どこまでが確定なのかを整理しておきます。

4.1 対象と金額は詳細設計の段階

誰がいくら受け取れるのかは、現時点で決まっていません。所得に連動するという方針は示されていますが、線引きは大綱と、その後の法律案で具体化されます。

法律案は臨時国会に提出される予定です。国会の審議を経て内容が変わる可能性もありますので、確定した情報としては扱えません。

同じ制度の話でも、決定済みの部分と検討中の部分が混ざっています/0

決まったことと、これから決まること 2026年9月時点 閣議決定された 制度を導入するという基本方針 飲食料品の消費税率を1%にする その期間は令和9年4月から2年間 本格導入は令和11年度から 令和8年8月5日 これから決まる 給付の対象になる人 受け取れる金額 所得の線引きと判定の方法 手続きの流れ 大綱と、そのあとの法律案で 法律案は臨時国会に提出される予定。審議を経て内容が変わることもある

出所:首相官邸「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針の閣議決定についての会見」をもとにLIMO編集部作成

4.2 家計の予定には組み込まない

金額が決まっていない段階で、受け取れる前提の支出を組むのは避けたほうが安全です。制度が動いている時期は、確定した部分だけを見ておく姿勢が役に立ちます。

飲食料品の消費税率が1%になるのは令和9年4月からで、いますぐ変わるものではありません。この点も、時期を取り違えないようにしておきたいところです。

5. 決まってから動けるように準備しておく

銀行の窓口で相談を受けてきた立場から、いまできることを挙げておきます。

5.1 受け取る側の入り口は口座になる

所得に連動した給付は、公的機関が保有する所得情報を活用するとされています。実際に配られる段になれば、振込先の口座が必要になります。

制度の詳細が決まる前でも、受取口座の登録状況を確かめておくことはできます。いざ始まったときに慌てないための準備です。

5.2 家計の予定に組み込むのは決まってから

相談の場では、報道で見た金額を前提に支出を考えている方にお会いすることがありました。今回は金額そのものが未定ですので、前提に置くことはできません。

飲食料品の消費税率が変わるのは令和9年4月からで、いますぐ動くものではありません。法制度に関わる内容ですので、ご自身への影響は確定した公表資料と、税務署や市区町村の窓口で確認してください。この記事の内容は2026年9月上旬時点のものです。

中本 智恵

金額が決まっていない段階でできるのは、受け取る側の準備を整えておくところまでです。振込先として使う口座の登録状況を確かめておく、というのがその中身になります。

もう1つ、所得に連動する制度では、ご自身の所得や世帯の課税状況がどの位置にあるのかが判定の材料になります。住民税非課税世帯の収入基準のように、既存の制度でも所得で線が引かれる場面は多くあります。ご自身がどのあたりにいるのかは、課税証明書で確かめておくことができます。

給付付き税額控除の線引きが同じになるとは限りませんし、判定の方法もこれから決まります。いま断定できることは多くありませんので、確定した内容が公表されてから動く、という順番で構いません。

6. まとめにかえて

給付付き税額控除は、税額控除と現金給付を組み合わせて低中所得の世帯を支援する仕組みです。2026年8月5日に制度導入の基本方針が閣議決定され、大綱を決めたうえで臨時国会に法律案が提出される予定です。

つなぎの措置として、飲食料品の消費税率は令和9年4月から2年間1%となり、令和9年6月以降は所得に連動した給付が先行導入されます。本格導入は令和11年度からで、そのときに税率は8%へ戻ります。

一方で、誰がいくら受け取れるかはまだ決まっていません。大綱と法律案で具体化されますので、確定した内容は公表資料で確かめていきましょう。

参考資料

中本 智恵