4. 分配金・配当金を「定期的な収入」として計画するという発想

成長投資枠では、毎月分配型の投資信託こそ対象外ですが、2か月に1回分配金が支払われる「隔月分配型」や、四半期・年1〜2回といった頻度で分配金を出す投資信託も購入できます。株式投資における配当金も、多くの企業は年1〜2回の頻度で支払っており、考え方としては近いものです。

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分配金の支払い頻度と成長投資枠での扱い

出所:金融庁「NISAを知る」をもとにLIMO編集部作成

隔月分配型の投資信託には、公的年金の支給がない奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)に決算を設定している商品が多く見られます。年金の振込がない月に合わせて分配金を受け取ることで、家計の収入の谷間を埋めるという考え方に基づいたものです。こうした商品や、配当・株主優待を楽しめる個別株式を組み合わせることで、リタイア後の生活の中に定期的な収入の流れを組み込んでいくというのも一つのアイデアです。FIRE(早期リタイア)やセミFIREを目指す・実践している方の中にも、こうした分配金や配当金を計画的に組み合わせて、年金以外の収入源として活用している例が見られます。

和田 直子

分配金や配当金を定期的な収入として組み込むアイデアは魅力的ですが、忘れてはいけないのは、分配金も配当金も将来にわたって支払われることが確約されたものではないという点です。運用会社の方針変更や企業の業績悪化によって、分配金・配当金が減額されたり、なくなったりすることもあります。「この金額が毎年入ってくる」という前提で生活設計を組んでしまうと、変更があった際に家計への影響が大きくなりかねません。

また、NISA口座で受け取る配当金を非課税にするためには、証券会社で配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」に設定しておく必要があります。この設定をしていないと、NISA口座で保有している株式であっても配当金が課税されてしまうことがあるため、忘れずに確認しておきたいポイントです。

5. NISAの枠は、無理に埋める必要はない

ここまで成長投資枠のさまざまな使い方を紹介してきましたが、最も伝えたいのは、年間240万円という枠を無理に埋める必要はないということです。NISAはあくまで非課税の「器」であり、その枠をすべて使い切ることが目的ではありません。手元の資金や今後の生活設計に無理のない範囲で活用することが何より大切です。

興味のある商品が見つからなければ、つみたて投資枠だけを活用する、あるいは成長投資枠を少額から試してみるといった選び方でも構いません。焦って商品を選ぶのではなく、ご自身のペースで、納得できる形でNISAと付き合っていくことをおすすめします。

6. まとめ

成長投資枠は年間240万円まで使え、つみたて投資枠にはない上場株式やREITなどにも投資できる枠ですが、一括投資が必須というわけではなく、積立の延長として活用することも可能です。毎月分配型の投資信託は対象外である一方、隔月や年数回の分配型投資信託、株式の配当・優待などを組み合わせて、定期的な収入の流れを作るという考え方もあります。ただし、分配金や配当金は将来にわたって支払われることが確約されたものではありません。NISAの枠を無理に埋めようとせず、ご自身の資金計画やリスクへの向き合い方に合わせて、無理のない範囲で活用を検討していただければと思います。

参考資料

LIMO編集部NISA解説班