「毎月の投資額が少ないから、大きな資産は作れないのでは」と感じて、NISAでの積立投資に踏み出せずにいる方は少なくありません。

しかし、積立投資の結果を決めるのは投資額だけではなく、投資額・利回り・時間という3つの要素のかけ算です。

中でも「時間」は、投資額の差を後から埋め合わせるほどの力を持っています。今回は、シミュレーションを通じて「少額でも続けること」の意味を確認していきます。

ココがポイント
  • 積立投資の将来額は「投資額×利回り×時間」のかけ算で決まる
  • 年率5%の試算では、月1万円を30年続けると元本360万円が約832万円になる
  • 元本が同じ360万円でも「月3万円×10年」より「月1万円×30年」のほうが試算額は大きくなる

1. 積立投資は「投資額×利回り×時間」のかけ算

積立投資で将来いくらになるかは、大きく3つの要素で決まります。

毎月どれだけ投資するかという「投資額」、その資金がどれくらいの利回りで増えるかという「利回り」、そしてどれくらいの期間続けるかという「時間」です。この3つはそれぞれ独立した足し算ではなく、掛け合わさって効果を生みます。

中でも見落とされがちなのが「時間」の役割です。複利運用では、増えた分にもさらに利益がつくため、運用期間が長くなるほど資産の増え方は加速していきます。つまり、毎月の投資額が少なくても、時間を味方につけることで、短期間に大きな金額を投じた場合と同じか、それ以上の結果につながることがあります。

和田 直子
「毎月3万円、5万円といったまとまった金額を投資に回せる人がうらやましい」
しかし、積立投資は投資額の大小だけで結果が決まるわけではありません。月1万円という無理のない金額でも、20年、30年と続けることで、複利の効果が徐々に大きくなっていきます。まずは「続けられる金額」から始めることが、遠回りに見えて実は近道になることがあります。

2. 【シミュレーション】少額でも「時間」を味方にすると、投資額の差を上回ることも

ここで、月1万円と月3万円をそれぞれ積み立てた場合に、将来いくらになるかを試算してみます。年率5%で複利運用できたと仮定した場合の結果は、以下のとおりです。

積立シミュレーション(年率5%と仮定)1/2

積立シミュレーション(年率5%と仮定)

※年率5%で複利運用した場合の試算値(毎月末に積立と仮定)。将来の運用成果を保証するものではありません。出所:LIMO編集部試算

月1万円の積立では、10年で元本120万円が約155万円に、20年で元本240万円が約411万円に、30年で元本360万円が約832万円になるという試算です。

月3万円の場合は、10年で元本360万円が約466万円に、20年で元本720万円が約1233万円に、30年で元本1080万円が約2497万円になります。当然ながら、毎月の投資額が大きいほど、また期間が長いほど、将来の金額は大きくなります。

ここで注目したいのが、月1万円を30年続けた場合と、月3万円を10年続けた場合を比べたグラフです。どちらも元本は360万円で同じですが、結果には大きな差が出ます。

元本が同じ360万円でも、「期間」で差がつく2/2

元本が同じ360万円でも、「期間」で差がつく

※年率5%で複利運用した場合の試算値。将来の運用成果を保証するものではありません。出所:LIMO編集部試算

月1万円を30年続けた場合の試算額は約832万円(運用益約472万円)であるのに対し、月3万円を10年続けた場合は約466万円(運用益約106万円)にとどまります。投じた元本は同じ360万円でも、運用期間が3倍になることで、運用益には4倍以上の差がつく結果です。これは、複利の効果が時間の経過とともに加速度的に大きくなっていくためです。

和田 直子
同じ360万円を投じるにしても、月3万円を10年でまとめて投じるのと、月1万円を30年かけてゆっくり投じるのとでは、運用結果に大きな差が生まれます。
これは、複利の効果が「時間の2乗」に近い形で効いてくるためです。裏を返せば、今すぐ大きな金額を用意できなくても、早く始めて長く続けることで、その差を十分に取り戻せる可能性があるということです。「今の投資額」よりも「始めるタイミング」を意識してみてください。