3. 葬祭費の額は条例で決まる

国民健康保険と後期高齢者医療のほうは、金額の決まり方が違います。

3.1 条例準則では金額が空欄になっている

厚生労働省の国民健康保険条例準則には、被保険者が死亡したときはその者の葬祭を行う者に対し葬祭費として何円を支給する、と定められています。昭和34年に出された通達で、市町村が条例をつくるときのひな形にあたるものです。

金額の部分が「何円」となっているとおり、実際の額は各市町村の条例で決まります。全国一律ではないということです。

3.2 東京都の後期高齢者医療でも違いがある

東京都後期高齢者医療広域連合の場合、葬祭を行った方が市区町村の担当窓口に申請することで、葬祭費として5万円が支給されます。ただし、自治体によっては独自に2万円の上乗せを行うことで、合計7万円が支給されることもあります。

申請に必要なものは、葬儀費用の領収書等と、振込先金融機関の口座の確認ができるものです。

市区町村により金額または申請に必要なものが異なる場合があるとしています。同じ東京都内でも一律とは限りません。

お住まいの地域でいくらになるかは、被保険者が加入していた市区町村の担当窓口で確認することになります。

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葬祭費は、金額の決め方そのものが健康保険と違います

出所:厚生労働省「国民健康保険条例準則について」および東京都後期高齢者医療広域連合「葬祭費」をもとにLIMO編集部作成

4. 実務を担当していた頃に感じたこと

窓口で見てきたことを、いくつか挙げておきます。

4.1 手続きの数が多く、後回しになりやすい

亡くなったあとの手続きは、資格の喪失や年金、公共料金の名義変更まで含めると相当な数になります。国保や後期高齢を担当していた頃も、まとめて説明を受けた方が全部は覚えきれない様子を見てきました。

葬祭費は、亡くなった方の医療保険の手続きと同じ窓口で扱われることが多いところです。資格の喪失で窓口に行ったときに、あわせて聞いておくと二度手間になりません。

4.2 聞かれることが多かったのは「誰が申請するのか」

葬祭費を受け取るのは、亡くなった方の相続人ではなく、葬祭を行った方です。喪主をつとめた方と、費用を出した方が違うこともありますので、申請の前に整理しておくとよいでしょう。

健康保険の埋葬料も、生計を維持されていた方かどうかで埋葬料と埋葬費に分かれます。どちらにあたるかで、必要な書類も変わってきます。

金額や必要なものは制度と地域によって違いますので、自己判断で進める前に、市区町村の担当窓口か協会けんぽ・健康保険組合に確認してみてください。

5. まとめにかえて

亡くなったときに医療保険から出るお金は、国民健康保険と後期高齢者医療制度では葬祭費、健康保険では埋葬料や埋葬費という名前です。いずれも申請して受け取る給付になります。

健康保険の埋葬料は5万円、埋葬費は5万円の範囲内で実際にかかった費用、被扶養者が亡くなったときの家族埋葬料は5万円です。一方、葬祭費の額は保険者が条例で定めるため、市区町村によって変わります。

まずは亡くなった方がどの医療保険に加入していたかを確かめるところからです。そのうえで、市区町村の担当窓口か協会けんぽ・健康保険組合に問い合わせてみてください。

参考資料

太田 彩子