家族が亡くなったあと、公的な医療保険から葬祭にかかるお金が支給されることをご存じでしょうか。
加入していた制度によって、給付の名前も金額の決め方も変わります。国民健康保険と後期高齢者医療制度では葬祭費、健康保険では埋葬料や埋葬費などと呼ばれるものです。
筆者は元自治体職員として、国民健康保険と後期高齢者医療の担当をしていました。この記事では、3つの制度で何がどう違うのかを確認していきましょう。
- 国民健康保険と後期高齢者医療は葬祭費、健康保険は埋葬料・埋葬費と名前が違う
- 健康保険の埋葬料は5万円。埋葬費は5万円の範囲内で実際にかかった費用
- 葬祭費の額は保険者が条例で定めるため、市区町村によって変わる
1. 【葬祭費と埋葬料】加入していた制度で給付の名前が変わる
まず、どの医療保険制度にどの給付があるのかを押さえておきます。
1.1 国民健康保険と後期高齢者医療は葬祭費
自営業の方や退職後に国民健康保険に入っていた方、75歳以上で後期高齢者医療制度の被保険者だった方が亡くなったときは、葬祭費が支給されます。受け取るのは、葬祭を行った方です。
申請先は、亡くなった方が加入していた市区町村の担当窓口になります。どちらの制度も、市区町村の窓口で手続きする点は同じです。
1.2 健康保険は埋葬料と埋葬費
会社にお勤めだった方など、健康保険に加入していた方が亡くなったときは、埋葬料または埋葬費が支給されます。申請先は協会けんぽや健康保険組合です。
同じ地域に住んでいても、亡くなった方がどの医療保険に入っていたかで窓口が変わります。まず保険証や資格確認書で加入していた制度を確かめるところからになります。
2. 健康保険の埋葬料は5万円
金額が制度として決まっているのは健康保険のほうです。
2.1 埋葬料と埋葬費の違い
全国健康保険協会によると、被保険者により生計を維持されていた方が申請すると、埋葬料として5万円が支給されます。同居していたかどうかではなく、生計を維持されていたかで見る形です。
生計維持関係にない方が埋葬を行った場合は、埋葬費として5万円の範囲内で実際に埋葬に要した費用が支給されます。こちらは定額ではありませんので、かかった費用が5万円を下回れば、その額までとなります。
2.2 被扶養者が亡くなったとき
被扶養者が亡くなったときは、被保険者が申請することで家族埋葬料として5万円が支給されます。亡くなったのが被保険者本人でなくても対象になるということです。
いずれも申請して受け取る給付ですので、手続きをしなければ支給されません。
亡くなったあとの手続きは数が多いですが、窓口で一つずつ説明してもらえます。添付書類が多くて大変かとは思いますが、もらい忘れがないようにしたいですね。窓口で案内を受けたら、その場で必要なものを聞いておくと確実です。
