2. 将来の年金がわかる「ねんきん定期便」の見方
毎年、誕生月になると「ねんきん定期便」が届きます。これは、自分がこれまで納めてきた保険料や、将来受け取れる年金額を知らせてくれる大切なお知らせです。老後の設計は、この一枚から始められます。
2.1 50歳以上の定期便には「見込額」が載る
ねんきん定期便の見方は、年齢によって違います。50歳未満は「これまでの加入実績に応じた年金額」が載りますが、50歳以上は「いまの加入状況が60歳まで続いた場合」の、65歳から受け取れる見込額が記載されます。
つまり、50歳代の定期便は、将来の年金額を具体的にイメージできる資料です。ひとり暮らしの老後は年金と蓄えが頼りなので、この見込額を知ることが、老後の計画づくりの出発点になります。
2.2 定期便の額は「確定額」ではない
気をつけたいのは、見込額はあくまで「いまの働き方が続いたら」という前提の数字だということです。転職や退職で加入状況が変われば、実際の年金額も変わります。
また、受け取りを遅らせる繰下げなどで増やすこともできます。定期便の額を確定額と思い込まず、「老後に足りない分を貯蓄でどれだけ補うか」を考えるための目安として使うのが賢い付き合い方です。
3. 編集部からのアドバイス
50歳代・単身世帯の貯蓄は、平均999万円・中央値120万円でした。貯蓄のない人がおよそ3人に1人いる一方、2000万円以上の人もいます。将来の年金額をつかんで蓄えづくりに活かすために、今日からできることを3つお伝えします。
一つ目は、今年届くねんきん定期便で、65歳からの見込額を確かめることです。年間の受取見込みがわかると、老後にいくら足りないのかが具体的に見えてきます。
二つ目は、その不足分を、これからの貯蓄でどれだけ補えるかを試算することです。目標が定まると、毎月いくら積み立てればよいかがはっきりします。
三つ目は、新NISAなどを使って、無理のない額から積み立てを始めることです。投資には元本割れのリスクがありますが、生活防衛資金を預貯金で確保したうえでなら、時間を味方にできます。
ねんきん定期便は届いても封を開けずにしまい込んでしまう、という声を耳にすることがあります。ですが50歳以上の定期便には、将来の見込額という大切な情報が載っています。ひとり暮らしなら、なおのこと早めに全体像をつかんでおきたいところです。
見込額と毎月の生活費を並べてみると、「毎月いくら足りないのか」がはっきりします。その差額を、あと何年でどれだけ積み立てれば埋められるか。そこまで考えれば、ばくぜんとした不安は具体的な計画に変わります。
まずは封を開けて数字を見るだけでも、十分に価値のある一歩です。小さな一歩が、10年後の安心につながります。
4. まとめにかえて
今回は、50歳代・単身世帯の平均貯蓄額(999万円)と中央値(120万円)を確認しました。貯蓄のない人がおよそ3人に1人いる一方、2000万円以上の人もいる、差の大きい年代です。
あわせて、ねんきん定期便の見方もみてきました。50歳以上の定期便には65歳からの見込額が載りますが、それは「いまの働き方が続いたら」という前提の数字で、確定額ではありません。
まずは今年の定期便で65歳からの見込額を確かめ、毎月の生活費と並べてみる。将来の年金額を味方につけて、ひとりの老後の準備を、この秋から一歩進めてみましょう。
参考資料
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
- 日本年金機構「年金Q&A(ねんきん定期便の記載内容:これまでの加入実績に応じた年金額)」
- 【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
LIMO編集部貯蓄解説班
