3. 報酬と期間の掛け算で年金額が決まる
この数字が、どこにつながるのかを見ておきます。
3.1 報酬比例部分の2つの材料
老齢厚生年金の報酬比例部分は、平均標準報酬額と被保険者期間で決まります。同じ年数を勤めても報酬の水準が違えば年金額は変わり、同じ報酬でも期間が違えば変わります。
同じ年報によると、老齢年金受給権者の平均被保険者期間は413月、年数にすると34年5か月でした。平均的な姿は、平均標準報酬額36万4134円で34年5か月加入した人ということになります。
3.2 上限があることも押さえておく
標準報酬月額には上限が定められています。上限を超える報酬を得ていても、その部分は年金額の計算に反映されません。
65万円以上の区分が1.1%にとどまるのは、この仕組みが影響しています。高い報酬がそのまま高い年金額に直結するわけではないという点は、押さえておきたいところです。
4. この数字を自分に当てはめるとき
統計の平均をそのまま自分の見込みにはできません。
4.1 いま受け取っている人の記録である
この平均標準報酬額は、すでに年金を受け取っている人が現役だった当時の報酬をもとにしています。いま働いている世代の報酬水準とは前提が違います。
また平成15年3月以前の期間には1.3倍の調整が入っていますので、賞与のなかった時代の記録が今の物差しに合わせて換算されている点も、読み方として押さえておきたいところです。
4.2 自分の記録は定期便で確認する
自分の標準報酬月額の記録は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。月別状況には、どの月にいくらの標準報酬月額で加入していたかが並びます。
相談の場でも、記録を見て初めて自分の報酬の推移を意識したという方は少なくありませんでした。見込額だけでなく、その材料になっている記録も見ておきたいところです。
5. まとめにかえて
厚生年金保険(第1号)の老齢年金受給権者1608万5696人の平均標準報酬額は36万4134円でした。被保険者期間が25年未満の通算老齢年金の受給権者では22万8760円です。
分布を見ると、35万円以上36万円未満までで累積構成比が50.0%に達します。35万円から41万円の各区分が2.5%前後で並び、なだらかな山になっています。
ただし平均標準報酬額は、平成15年3月以前の期間を1.3倍で換算し、賞与も含めて全期間を平均した額です。給与明細の月収とは別物ですので、自分の記録はねんきん定期便やねんきんネットで確かめてみてください。
参考資料
和田 直子