総務省が2026年8月7日に公表した家計調査(家計収支編)によると、2026年6月の1カ月の消費支出は、二人以上の世帯で29万886円でした(前年同月比で実質3.3%の減少)。ひとり暮らしでも、毎月いくら使い、いくら残せるかの積み重ねが、やがて貯蓄の「ある人・ない人」の差につながっていきます。
「同じ年代でも、貯蓄がしっかりある人と、ほとんどない人に分かれている」——おひとりさまの貯蓄データをみると、そんな二極化がはっきり表れます。
気になるのは、その差がどこから生まれるのかということ。まずは同世代の平均と中央値、そして「貯蓄がある人・ない人」の割合を確かめてみましょう。
今回は、30〜60歳代のおひとりさま(単身世帯)の平均貯蓄額と中央値を年代別に確認し、貯蓄がある人とない人を分ける習慣をみていきます。
なお、年代別の貯蓄額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
- 30〜60歳代おひとりさまの平均貯蓄額は501万〜1364万円、中央値は100万〜300万円
- 貯蓄ゼロが約3割いる一方、2000万円以上を持つ人も5.9〜21.1%(J-FLEC)
- 差を分けるのは収入より「お金の習慣」
1. 【30〜60歳代おひとりさまの平均貯蓄額】中央値はいくらか?
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」から、単身世帯の金融資産保有額(平均・中央値)を年代別にみていきます。
まず、ここでいう「金融資産」が何を指すのかを、LIMOの記事「【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?」から引用して確認しておきましょう。
この調査における金融資産とは、預貯金に加えて株式や投資信託、生命保険などを指します。ただし、日常的に決済で利用する普通預金口座の残高は対象外です。
出所:【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
1.1 30歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)
- 金融資産非保有:32.3%
- 100万円未満:14.2%
- 100~200万円未満:14.2%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:5.5%
- 700~1000万円未満:3.1%
- 1000~1500万円未満:5.5%
- 1500~2000万円未満:4.3%
- 2000~3000万円未満:2.5%
- 3000万円以上:3.4%
- 無回答:3.1%
- 平均:501万円
- 中央値:100万円
出所:【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
30歳代のおひとりさまは平均501万円・中央値100万円。金融資産を持たない人が32.3%、2000万円以上は5.9%です。
1.2 40歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)
- 金融資産非保有:32.1%
- 100万円未満:15.1%
- 100~200万円未満:7.1%
- 200~300万円未満:5.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.2%
- 1500~2000万円未満:1.2%
- 2000~3000万円未満:2.8%
- 3000万円以上:9.9%
- 無回答:2.5%
- 平均:859万円
- 中央値:100万円
出所:【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
40歳代のおひとりさまは平均859万円・中央値100万円。金融資産を持たない人が32.1%、2000万円以上は12.7%です。
1.3 50歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)
- 金融資産非保有:35.2%
- 100万円未満:10.1%
- 100~200万円未満:7.4%
- 200~300万円未満:4.6%
- 300~400万円未満:2.7%
- 400~500万円未満:3.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.0%
- 1500~2000万円未満:3.3%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:10.4%
- 無回答:1.9%
- 平均:999万円
- 中央値:120万円
出所:【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
50歳代のおひとりさまは平均999万円・中央値120万円。金融資産を持たない人が35.2%と全年代でもっとも高く、2000万円以上は15.9%です。
1.4 60歳代おひとりさまの貯蓄額(平均・中央値)
- 金融資産非保有:30.4%
- 100万円未満:9.1%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:2.4%
- 300~400万円未満:4.5%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.0%
- 700~1000万円未満:4.8%
- 1000~1500万円未満:8.1%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:15.6%
- 無回答:2.2%
- 平均:1364万円
- 中央値:300万円
出所:【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
60歳代のおひとりさまは平均1364万円・中央値300万円。2000万円以上が21.1%まで増える一方、金融資産を持たない人も30.4%います。どの年代も平均が中央値を大きく上回り、実感に近いのは中央値のほうです。
2. 「貯蓄がある人・ない人」を分ける3つの習慣
2.1 貯蓄ゼロは約3割、一方で2000万円以上も——二極化のいま
年代別の平均・中央値をみてきましたが、同じ年代の中でも、蓄えには大きな幅があります。あらためて、金融資産を持たない人と、2000万円以上を持つ人の割合を並べてみましょう。
金融資産を持たない人は、30歳代32.3%、40歳代32.1%、50歳代35.2%、60歳代30.4%。どの年代でも、およそ3人に1人が貯蓄ゼロという水準です。一方で2000万円以上を持つ人は、30歳代5.9%、40歳代12.7%、50歳代15.9%、60歳代21.1%と、年代が上がるにつれて増えていきます。
裏を返せば、おひとりさまの貯蓄は「ある人」と「ない人」に分かれやすいということです。平均額はこの一部の多い人に引き上げられるため、実態に近いのは中央値のほう。まずは自分がどのあたりにいるかを、中央値と見比べてつかんでおきたいところです。
2.2 貯まる人に共通する3つの習慣
では、その差はどこから生まれるのでしょうか。年代が上がるほど差が開いていくという分布の形は、一度の大きな判断よりも、日々の積み重ねが効いていることを示しています。蓄えを伸ばしている人には、共通する3つの習慣があります。
一つ目は、「貯める順番」が逆であることです。残ったら貯めるのではなく、収入が入った時点で先に貯蓄へ回す「先取り」が習慣になっています。
二つ目は、固定費を定期的に見直していることです。通信・保険・住居などのムダを長く放置せず、一度下げた負担を保ち続けています。
三つ目は、使わないお金を「時間」で育てていることです。当面使う予定のないお金を、長期・分散でコツコツ運用に回しています。いずれも特別な才能はいらず、仕組みにしてしまえば、収入が同じでも結果は変わってきます。
3. 編集部の視点:今日から仕組みにする3つの実践
前ページでみた3つの習慣を、おひとりさまが今日から仕組みに変えるための実践をお伝えします。
まず、生活防衛資金を先に確保しましょう。病気やケガで働けないとき頼れるのは自分の蓄えなので、半年〜1年分の生活費は、すぐ動かせる預貯金で持っておきます。
次は、先取りを「自動」にすることです。給与が入ったら一定額が自動で別口座や積立に回る設定にすれば、意志の力に頼らず続けられます。
そして、使える制度を味方につけることです。新NISAでの少額積立やふるさと納税などを無理のない範囲で活用すると、同じ収入でも手元に残るお金が変わります。ただし投資には元本割れのリスクがある点は押さえておきましょう。
同じような経歴や収入でも、蓄えに大きな差がついている——その理由をたどると、たいてい行き着くのは日々の習慣です。分布のうえで年代が上がるほど差が広がっていくのも、習慣の効果が年数で積み上がるからだと考えられます。
蓄えを伸ばしている人は、収入が入ったら先に貯蓄へ回し、固定費をこまめに見直し、使わないお金は長く運用に置いています。どれも派手さはありませんが、続けることで大きな差になります。逆に、お金が貯まりにくい人に共通する行動については、LIMOの記事「お金に嫌われる人の特徴3選」でも取り上げられています。
もうひとつ気に留めておきたいのが、60歳代でも金融資産を持たない人が30.4%いるという事実です。年代が上がれば自然に貯まるわけではありません。年金生活が始まると収入の幅は狭まりますから、働いているうちにどれだけ積み上げられるかが、その後の暮らしの余裕を左右します。
おひとりさまは、家計のすべてを自分で決められる強みがあります。誰かと相談して決める必要がない分、思い立った日に仕組みを変えられます。今日、先取りの金額をひとつ決めるところから、差は縮められます。焦らず、自分のペースで整えていきましょう。
4. まとめにかえて
今回は、30〜60歳代おひとりさまの平均貯蓄額(501万〜1364万円)と中央値(100万〜300万円)を確認しました。どの年代も平均が中央値を大きく上回り、実感に近いのは中央値のほうです。
あわせて、金融資産を持たない人が約3割いる一方、2000万円以上を持つ人もいる「二極化」をみました。差を分けるのは収入の多さよりも、日々のお金の習慣です。
今日からできることは3つです。はじめに、収入が入ったら先に貯蓄へ回す「先取り」を自動化すること。つぎに、通信・保険・住居などの固定費を一度しっかり見直すこと。さいごに、生活防衛資金を確保したうえで、少額でも長く積み立てを続けること。
投資には元本割れのリスクがある点も踏まえ、無理のない範囲で。特別な才能はいりません。習慣を仕組みに変えれば、収入が同じでも、これからの蓄えは着実に変わっていきます。
参考資料
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2026年(令和8年)6月分」(2026年8月7日公表)
- LIMO「【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認」
- LIMO「【貯蓄上手への道】お金に嫌われる人の特徴3選! 夏にムダ遣いしがちな人に喝!」
LIMO編集部貯蓄解説班

