3. 高齢者世帯の所得の6割は公的年金でできている
下がった所得を、何が支えているのかを見ます。
3.1 公的年金・恩給が61.3%
高齢者世帯の1世帯当たり平均所得金額の構成割合を見ると、公的年金・恩給が61.3%を占めます。次いで稼働所得が25.9%、仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得が6.5%と続きます。
残りは財産所得が5.8%、年金以外の社会保障給付金が0.5%です。高齢者世帯の収入の6割が公的年金という構造になっています。
3.2 財産所得は6%に届かない
注目したいのは財産所得の5.8%です。利子や配当、家賃収入などがここに入りますが、全体に占める割合は小さいままです。
資産形成の必要性が語られる一方で、現在の高齢者世帯の収入において運用による所得が占める割合はこの水準です。いま現役の世代がここをどう変えるかは、これから積み上げる部分にかかってきます。
4. 世帯の形そのものが変わってきた
所得の話とあわせて、世帯構造も見ておきます。
4.1 単独世帯が35.4%で最多
2025年の総世帯数は5505万8000世帯です。世帯構造別では単独世帯が1947万7000世帯で35.4%を占め、最も多くなっています。
次いで夫婦のみの世帯が1362万6000世帯で24.7%、夫婦と未婚の子のみの世帯が1340万6000世帯で24.3%です。ひとり親と未婚の子のみの世帯は368万7000世帯で6.7%、三世代世帯は170万世帯で3.1%となっています。
4.2 65歳以上のいる世帯は全体の半分
65歳以上の者のいる世帯は2761万4000世帯で、全世帯の50.2%にあたります。そのうち単独世帯が933万5000世帯で33.8%を占めます。
65歳以上の人がいる世帯の3分の1が、ひとり暮らしということになります。世帯人数が減れば、同じ支出でも1人当たりの負担は重くなります。
5. 数字を自分の家計に置き換える
統計はあくまで全体の姿です。
5.1 平均ではなく分布で見る
所得階級別の分布で最も多いのが200万円台であるように、平均は必ずしも中心を示しません。自分がどのあたりに位置するのかを見るなら、平均より中央値や分布のほうが手がかりになります。
なお、この調査は前年の所得を集計しています。2025年の調査で示されているのは2024年の所得です。
5.2 下がる幅を先に知っておく
50歳代の814万6000円から65歳以上の442万2000円へという推移は、世帯主の年齢が上がるにつれて所得が下がることを示しています。ただし、これは異なる世代を横並びで比べた数字であり、同じ世帯が辿る道筋そのものではありません。
自分の場合にどうなるかは、退職金の有無や公的年金の見込額によって変わります。ねんきん定期便やねんきんネットで自分の見込額を確かめ、必要に応じて専門家に相談してみてください。
6. まとめにかえて
2024年の1世帯当たり平均所得金額は全世帯で575万2000円、中央値は451万円でした。平均所得金額以下の世帯が61.5%を占めます。
世帯主の年齢階級別では50歳代の814万6000円がピークで、60歳代617万円、70歳以上405万円と下がります。65歳以上は442万2000円です。
高齢者世帯の所得は61.3%が公的年金・恩給で、財産所得は5.8%にとどまります。世帯構造では単独世帯が35.4%で最多となり、65歳以上の者のいる世帯の33.8%がひとり暮らしです。まずは自分の年金見込額を確かめるところから始めてみてください。
参考資料
宮野 茉莉子